artscapeレビュー

西奥起一 展「見るための手ざわり」

2009年10月15日号

会期:2009/09/15~2009/09/27

neutron[京都府]

高知県在住の作家。住居としている築120年の古民家を改装した際に、そこに積もっていた埃や裏庭に堆積していた落ち葉などを作品化したものが展示されていた。この展覧会を見たら、履いて捨てるもの、という感覚が一気に吹き飛ばされてしまうだろうなあ。立体作品も平面作品もしばらく釘付けになってしまうくらい美しい仕事だった。タイトルにも長い時の経過のなかで起こる物語を想起させるセンスがうかがえて、それらが存在していた場所への想像をめぐらせてしまう。初めて知った作家だったが、またぜひ見たいと感じるステキな展覧会だった。

2009/09/15(火)(酒井千穂)

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