2018年06月15日号
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artscapeレビュー

2009年02月01日号のレビュー/プレビュー

沖縄・プリズム 1872-2008

会期:10/31~12/21

東京国立近代美術館[東京都]

沖縄をテーマにした展覧会。沖縄出身者と本土から沖縄に向かったアーティスト34名による作品を見せている。全体的にモノクロのイメージをあえて前面化させることによって、いかにも南国の原色でイメージされる沖縄とは異なる、もうひとつの沖縄像を提案していたようだ。けれども、それが「プリズム」といえるほど乱反射しているかどうかは、微妙なところだ。

2008/12/21(日)(福住廉)

石内都 展 ひろしま/ヨコスカ

会期:11/15~1/11

目黒区美術館[東京都]

写真家・石内都の大々的な回顧展。70年代の横須賀から現在の広島にいたるまで、石内の写真の変遷を逐一追った堅実な展示だった。いずれも「痕跡」を示した写真だが、よく見ていくとその痕跡の中に閉じ込められた時間を強く感じさせる写真であることがわかる。広島の被爆者たちが残した衣服を写したカラー写真は、白黒でしかイメージできないわたしたちの原爆イメージに色を付け加えているが、そうすることで原爆が現在と分かちがたく結ばれていることを物語っていたようだ。

2008/12/23(火)(福住廉)

HARAJUKU PERFORMANCE PLUS SPECIAL

会期:12/20~12/24

ラフォーレミュージアム原宿[東京都]

ラフォーレ原宿が主催するダンス、お笑い、アート、音楽を一挙に見せるパフォーマンス公演の3日目。山川冬樹×飴屋法水は、飴屋が腕から採血した血液を額縁に収めた白いキャンバスに滴らせながらドラムを叩き、山川がみずからの心拍音にあわせて明滅するランプの下で歌い上げたが、うしろのほうで嶋田久作がグラスの中にコインを落とす音をひたすら繰り返していた。このほかにも、無言のままただ肉弾戦のバトルロワイヤルを繰り広げたcontact Gonzoや、勢いあまってマイクを食べちゃった室伏鴻が光っていた。

2008/12/23(火)(福住廉)

蜷川実花 展──地上の花、天上の色──

会期:11/1~12/28

東京オペラシティアートギャラリー[東京都]

会場に足を踏み入れた瞬間、奇妙な既視感を覚えたが、それが何なのかすぐには分からなかった。けれども、原色をふんだんに使ったド派手な写真を見ていくと、その展示風景が日展のそれに似ていることに気づかされた。そう、2段掛けや3段掛けを常套手段とする、狭い壁面に絵を詰め込む展示手法が、ここで見事に踏襲されているのだ。そのことに自覚的なら、壁面に遠近法的な奥行き感を感じさせる西洋的なテクニックとは真逆の、日本の土着的な展示方法をアイロニカルに反復する確信犯として評価できるが、どうやらそういうわけでもなさそうだ。

2008/12/25(木)(福住廉)

エマニュエル・リヴァ展 HIROSHIMA 1958

会期:12/10~12/29

銀座ニコンサロン[東京都]

フランスの女優、エマニュエル・リヴァによる写真展。1958年、アラン・レネ監督の『ヒロシマ・モナール』の撮影のため広島を訪れたリヴァが、映画撮影の合間を縫って撮りためたモノクロ写真を発表した。写された光景はたしかに50年前の広島にはちがいないものの、写真のありようとしては、いまもって新しく、とてもアマチュアの写真とは思えないほどすばらしい。

2008/12/25(木)(福住廉)

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