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【帰心の会】伊藤建築塾・5人の建築家による「震災復興シンポジウム」

2011年06月15日号

会期:2011/05/01

伊藤建築塾神谷町スタジオ[東京都]

神谷町の伊東塾にて、帰心の会のシンポジウムが開催された。東日本大震災を受けて、隈研吾と内藤廣の声がけによって始まったチームである。妹島和世は避難所の体育館に小さなテーブルを置くだけでも空間は変わるのではないかと、山本理顕はコミュニティをつくる仮設住宅を提案するが、現状では制度の壁が高いという。伊東豊雄が提唱したのは、人の批判をしないこと、私よりもわれわれを考えること、そして小さくても、できることから手をつけることである。被災地に8畳の小空間でもいいから、公共性や癒しの場となるような、(ノマド的?)建築の原型をつくれないかという。トップアーキテクトも壊滅した街の風景を前にまだ戸惑い、どう行動すべきかを模索している。3.11を契機に改めて、建築家は社会において信用されている? かを自問するようなイベントだった。会場には、多くのプレスほか、そうそうたる建築家が駆けつけていたのも印象に残る。

2011/05/01(日)(五十嵐太郎)

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