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JIA東北「建築家フォーラム2011」

2011年06月15日号

会期:2011/05/14

山形県郷土館「文翔館」議事堂[山形県]

いつもはせんだいメディアテークが会場となるイベントだが、今年は震災とは関係なく、文翔館に決まっており、山形でJIA東北建築家フォーラムが開催された。かつては議場だった、すぐれた近代建築でのイベントは気持ちがよい。第五回JIA東北住宅大賞2010の表彰式の後、審査員をつとめた古谷誠章と筆者が作品の講評を行ない、大賞となった木曽善元によるレクチャーが続く。後半のシンポジウム「過去の復興が教えるまちづくりの未来」が予想以上に興味深い内容だった。阪神淡路大震災後の小島孜による芦屋西部地区の試み、名取の針生承一による木造仮設住宅、津波を受け入れる街論、福島の滑田らによる原発問題を受けた二地域居住のシステムなど、ぼんやりした話ではなく、地元の建築家によって、現場ならではの具体的な提案が紹介されたからである。

2011/05/14(土)(五十嵐太郎)

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