artscapeレビュー

ルーヴル美術館

2009年05月15日号

[パリ]

ハッと目が覚めたらルーヴル美術館だった……らいいのだが、んなわけもなく、忙しいなかやりくりして昨晩パリに到着したのだ。某出版社の仕事で、パリにあるモロー、ドラクロワ、ルーベンスの作品を見倒すのが目的(とはいえ自費)。モンマルトルの安宿を出て、まずルーヴルの地下街に直行し、パリの主要な美術館がフリーパスになる「ミュージアムパス」を購入。その説明書の日本語の解説を読むと、「ご入館なされればなされるほど、ご節約することができるのです。ですから早急にご購入なされ、最も素晴らしい世界遺産のひとつをご発見して下さい!」とある。まあ意味は通じるけどね。ルーヴルでは真っ先にドラクロワの巨大作品が並ぶロマン主義の部屋へ。隣の部屋(《モナ・リザ》の裏側)ではなんと、ヤン・ペイミンによる「モナリザへのオマージュ」みたいな絵がデカデカと飾ってあるではないか。クラシックな美術館に現代美術を投げ込む試みはしばしば見かけるので驚かないが、それが中国人画家であることに驚いた。しかしそのモノクローム絵画は「薄い」という印象で、あまり成功しているとは思えない。カフェでサラダ食って、北欧絵画の展示室をひとまわりし、ルーベンスの大連作《マリー・ド・メディシスの生涯》にあらためて感嘆。
ルーヴル美術館:http://www.louvre.fr/

2009/04/09(木)(村田真)

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