2018年01月15日号
次回2月1日更新予定

artscapeレビュー

2009年03月01日号のレビュー/プレビュー

大原竜幸 展

会期:2009/01/12~2009/01/21

ギャラリイK[東京都]

人と獣が入り乱れた木彫りの彫刻。台座の上に自立的に屹立するのではなく、それぞれのフォルムが縦横無尽に連結させられているので、空間全体に人や獣が躍動する様子が効果的に演出されている。次はもう少し大きな空間で見てみたい。

2009/01/21(水)(福住廉)

束芋 ハウス

会期:2008/12/20~2009/02/14

ギャラリー小柳[東京都]

束芋の新作展。ドールハウスをモチーフとしたアニメーション作品は、以前にも増して身体的な生理感覚を強く感じさせるもので、内側の痛みや痒みを洗い流すカタルシスを寓話的に表わしていた。皮膚を一枚一枚剥がしていき、めくれた内側の肉をさらに深くえぐり出すような、内触覚が大いに刺激される。その内側への志向性を一切の外側を欠いたドールハウスの中で見せているからなのか、小さな穴に引きずりこまれるような吸引力を発していた。その息苦しさが、同時代的な感覚なのかもしれない。

2009/01/21(水)(福住廉)

戦争と芸術III─美の恐怖と幻影─

会期:2009/01/16~2009/02/05

ギャルリ・オーブ[京都府]

真正面から「戦争」をテーマに据え、「戦争画」を出品する展覧会として過去2度の開催でも注目を集めた本展。3回目の今回も、藤田嗣治の《重爆》(1941)をはじめ、横尾忠則、宮島達男らの作品が揃い、見応えある内容となった。筆者としては、山口晃の疑似戦争画と、アンネ・フランクを想起させる主人公が登場する佐々木加奈子の写真・映像作品を見られたのが一番の収穫。戦争の記憶を隠すのではなく、公の場で議論すべきという本展の主旨には大いに賛成。むしろ公立美術館で開催すべきだと思うのだが、難しいんだろうなあ……。

2009/01/24(土)(小吹隆文)

前田久美 展

会期:2009/01/17~2009/01/31

ギャラリー16[京都府]

展示室を埋め尽くす装飾過剰空間。スパンコール、エナメル生地、少女漫画、ぬいぐるみ、化粧品、フィギュア、etc...。そして何故かカエルの消しゴムコレクションがあり、目をモチーフにした不気味な自作オブジェも並置されている。別室には少女漫画『キャンディキャンディ』のラストシーンを思わせる平面作品も。妄想がこれでもかとばかりに詰め込まれた作品は、別室の平面以外はすべて2001年の作だが、今でも十分通用するまがまがしいパワーに満ちていた。

2009/01/24(土)(小吹隆文)

パラモデリック・グラフィティ at なにわ橋駅

会期:2009/01/19~2009/01/24(公開制作)、2009/01/25~2009/03/29(展覧会)

アートエリアB1[大阪府]

京阪電車「なにわ橋駅」の構内にオープンしたパブリックスペースに、パラモデルの巨大なインスタレーションがお目見えした。プラレールを使った作品ということで場所との相性は抜群。駅を利用するサラリーマンやOLなど普段はアートに縁遠そうな観客が多く、特に親子連れの反応が際立っていた。不特定多数の人が訪れるスペースだけに破損が気になるが、それもハプニングとして前向きにとらえるべきだろう。美術館やギャラリーとは明らかに違う、そして商業施設とも異なる性質を持った新スペースのポテンシャルが明らかになった。今後も是非アートプロジェクトを続けてほしい。

2009/01/25(日)(小吹隆文)

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