artscapeレビュー
福住廉のレビュー/プレビュー
横浜アート&ホームコレクション
会期:11月28日~11月29日
横浜ホームコレクション(住宅展示場)[神奈川県]
横浜美術館の裏に広がる大規模な住宅展示場での展覧会。ハウスメーカー17社によるモデルハウスの室内に、30弱ほどのギャラリーがアート作品を展示している。大方の予想どおり、快適な部屋にフィットさせようとしたこれみよがしな平面作品が大半を占めていた。そこそこ売れるのだとしたら、画廊や作家の側にはよいことなのかもしれない。ただ、見る側としては、「こんなとこに住めるのか?」と問いたくなる、ラブホテルのような建売住宅のほうが、よっぽどアートであると言っておきたい。
2008/11/29(土)(福住廉)
ヘルマン・ニッチ
会期:11月12日~12月6日
山本現代[東京都]
「横浜トリエンナーレ2008」でひときわ異彩を放っていたヘルマン・ニッチの個展。横トリの作品はキリスト教の文脈が強調されていたが、こちらはむしろポルノショウのようで、じつは両者がそれほど明確に分けられるものではないことを暗示していた。
2008/11/29(土)(福住廉)
チャロー!インディア インド美術の新時代
会期:11月22日~3月15日
森美術館[東京都]
現在のインド美術を紹介する展覧会。いわゆる「アジア」や「インド」といった地政学的なフィルターを通すのではなく、あくまでも同時代の表現として見せようとしている。いわゆる「神秘的な」インドを期待している向きには満足できないのかもしれないが、ともにマクドナルドを食べるという同一性から、なおもこぼれ落ちる差異にこそ、グローバリズムの時代におけるリアリアティが賭けられているのだろう。
2008/11/27(木)(福住廉)
東恩納裕一
会期:11月22日~12月25日
コム・デ・ギャルソン青山店[東京都]
東恩納裕一の蛍光灯によるシャンデリアは、すでに同店で使われているが、それとは別に、蛍光灯による円環状のインスタレーションを入り口正面に展示。白い壁面を背に設置された大小それぞれの蛍光灯は、まばゆいばかりの光輪を描き出していた。
2008/11/24(月)(福住廉)
ダブル・クロノス展
会期:11月15日~11月24日
瑞聖寺アートプロジェクトZAP[東京都]
毎年恒例となった多摩美の長谷川祐子ゼミによる企画展。白金台の瑞聖寺を舞台に東恩納裕一、大巻伸嗣、高木正勝、水木塁、大西麻貴+百田有希による作品を展示した。圧倒的だったのは、高木正勝。ブラックキューブのなかで魅せた映像は、従来の牧歌的なイメージを完全に覆し、ダイナミックなリズムで生命の輪廻をたどるようなものだった。
2008/11/22(土)(福住廉)