2021年01月15日号
次回2月1日更新予定

artscapeレビュー

書籍・Webサイトに関するレビュー/プレビュー

カタログ&ブックス | 2021年1月15日号[近刊編]

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をartscape編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます




現代アートを殺さないために ソフトな恐怖政治と表現の自由

著者:小崎哲哉
発行:河出書房新社
発行日:2021年1月5日
定価:2,700円(税抜)
サイズ:19cm、384+18ページ

『現代アートとは何か』の著者が政治や経済とアート業界とのあいだに起こっているさまざまな問題をえぐり出し、2020年代の“政治とアート”の動向を鮮やかに予言する。書き下ろし。



建築情報学へ

監修:建築情報学会
編集:池田靖史、豊田啓介、角田大輔、木内俊克、石澤宰、杉田宗、小見山陽介、富井雄太郎
デザイン:佐藤亜沙美
発行:millegraph
発行日:2020年12月25日
定価:2,500円(税抜)
サイズ:21cm、234ページ

デジタルテクノロジーは、私たちの日常に欠くことのできないものとして、もはや意識されることもないほど社会に浸透した。本書は、建築という分野を、情報学的観点および情報技術による広がりの先に定義しようと試みる。建築は常に他領域や技術から影響を受けながら変化し続けてきた。情報によって建築は、より領域横断的、より動的、より拡張的なものになるだろう。



西洋美術とレイシズム(ちくまプリマー新書)

著者:岡田温司
発行:筑摩書房
発行日:2020年12月9日
定価:1,000円(税抜)
サイズ:18cm、185+6ページ

聖書に登場する呪われた人、迫害された人を、美術はどのように描いてきたか。長い歴史のなか培われた人種差別のイメージを考える。



時代をひらく書体をつくる。 書体設計士・橋本和夫に聞く活字・写植・デジタルフォントデザインの舞台裏

著者:雪朱里
発行:グラフィック社
発行日:2020年11月10日
定価:2,700円(税抜)
サイズ:22cm、295ページ

活字~写植~デジタルフォントと三世代にわたり続く日本の書体の歴史のなかには、その存在の重要さに関わらず、あまり知られていないデザイナーがいる。その筆頭が、金属活字・写植・デジタルフォントの三世代で書体デザイン・制作・監修を経験し、特に写研で大きな功績を残した橋本和夫さんだ。日本の書体史の主軸となる部分を築いてきた人である。本書では、橋本さんのロングインタビューを通して、これまであまり語られてこなかった、だが間違いなく現在のルーツとなる書体デザインの舞台裏を浮かび上がらせ、日本の書体の知られざる流れを紐解いていく。



「ヤン・ヴォー ーォヴ・ンヤ」記録集1・2

編集:[記録集1]ヤン・ヴォー、ニック・アッシュ、植松由佳/[記録集2]植松由佳、中井康之
撮影:[記録集1]ニック・アッシュ/[記録集2]福永一夫
執筆:植松由佳
翻訳(和文英訳):クリストファー・スティヴンズ
デザイン:森大志郎
発行:国立国際美術館
発行日:2020年
サイズ:[記録集1]23.7×30cm、63ページ/[記録集2]21.8×29.8cm、24+28ページ

2020年に国立国際美術館にて開催された「ヤン・ヴォー ーォヴ・ンヤ」展の記録集。2冊組。





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2021/01/15(金)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス | 2020年12月15日号[近刊編]

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をartscape編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます




キュレーターズノート 二〇〇七ー二〇二〇

著者:鷲田めるろ
発行:美学出版
発行日:2020年12月10日
定価:1,800円(税抜)
サイズ:190×130mm、230ページ
※artscapeでの連載「キュレーターズノート」の鷲田めるろさんの原稿が一冊になった書籍です。

美術、美術館、展覧会、プロジェクト、ワークショップ、地域、美術教育、まちづくり、芸術祭、アイデンティティ、町家、NPO、都市とアート……さまざまな可能性を持つ人や場と共創し、新たなアートの生成に立ち会う、キュレーターの実践と思考のノート。著者初の単著。



TIMELESS 石岡瑛子とその時代

著者:河尻亨一
発行:朝日新聞出版
発行日:2020年11月20日
定価:2,800円(税抜)
サイズ:20cm、541+32ページ

伝説のデザイナーがいた。前田美波里をスターにした資生堂のポスター、大ブームになったパルコの広告。それらを手がけた後に渡米し、アカデミー賞に輝いた彼女は、変化の時代をいかにサバイブしたのか。スティーブ・ジョブズも崇拝したエイコの「私」に迫る評伝。



国際文化交流を実践する

編集:国際交流基金
発行:白水社
発行日:2020年11月27日
定価:2,100円(税抜)
サイズ:19cm、262ページ

コロナ禍や一国主義の台頭で揺らぐ国際協調をいかに守るか? 心と心の触れ合いに懸けたJF職員たちの渾身のルポルタージュ!



美術/中間子 小池一子の現場

著者:小池一子
発行:平凡社
発行日:2020年12月11日
定価:3,000円(税抜)
サイズ:21cm、255ページ

日本のクリエイティブを草創期からつくり続けてきた小池一子。その多彩な仕事と歩みを豊富なビジュアルとともに通覧する一冊。



「宮島達男 クロニクル 1995-2020」展覧会図録

編集:千葉市美術館
翻訳:パメラ・ミキ
デザイン:近藤一弥
発行:千葉市美術館
発行日:2020年12月4日
定価:2,500円(税抜)
サイズ:B5判、216ページ

2020年9月19日〜12月13日まで開催されている「宮島達男 クロニクル 1995-2020」展の公式図録。
宮島達男は、LED(発光ダイオード)のデジタル・カウンターを使用した作品で高く評価され、世界で活躍する現代美術作家です。1980年代より宮島は、「それは変化し続ける」「それはあらゆるものと関係を結ぶ」「それは永遠に続く」という3つのコンセプトに基づき、これまで30ヵ国250ヶ所以上で作品を発表してきました。作品のモチーフであるデジタル数字は命の輝きをあらわし、0が表示されず1から9の変化を永遠に繰り返すことで、人間にとって普遍的な問題である「生」と「死」の循環を、見る者に想像させます。
本展は千葉市美術館の開館25周年記念として、首都圏の美術館では12年ぶりに開催される大規模な個展です。





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2020/12/15(火)(artscape編集部)

小林康夫『《人間》への過激な問いかけ──煉獄のフランス現代哲学(上)』

発行所:水声社

発行日:2020/09/30

長年にわたり、フランスの思想や文化と密接な関わりを持ちつづけてきた著者が、20世紀後半のフランス哲学を「人間」へのラディカルな問いとして総括した書物。その上巻にあたる本書では、おもにバルト、フーコー、リオタールの三者について過去に発表された時評的な文章が集められている。

本書は三部からなるが、第I部「フランス現代哲学の星雲」が、本書全体の導入にあたる。そこには、著者が80年代以降に著した数本の概説的なテクストが配されているのだが、それら「《人間》の哲学」や「《ポスト・モダン》の選択」──ともに初出は1987年──こそが、本書のトーンを決定していると言っても過言ではない。本書の表題に含まれる「人間」という言葉が重要な意味を担うのも、まずはそこにおいてである。

著者によれば、20世紀後半のフランス哲学をあえてひとつの言葉によって特徴づけるなら、それは最終的に「人間」という言葉へと帰着する。これは、いささか驚くべきテーゼだろう。というのも、ひじょうに大まかに言って、実存主義のあとに台頭した構造主義──およびポスト構造主義──には、むしろ既成の意味での「人間」を後景に追いやることによって展開してきたというイメージがあるからだ。「構造」にせよ「記号」にせよ「テクスト」にせよ、そこで探求されていたのは個々の主体に回収されることのない非人称的な次元であり、その意味で「人間」は世界の中心からの退位を余儀なくされていたとも言える。

しかし著者は、グザヴィエ・ティリエット(1921-2018)がメルロ=ポンティに捧げた「人間の尺度(la mesure de l’homme)」という表現に合図を送りつつ、そこで問われていたのは、あくまで「人間」をめぐる問いにほかならなかったと指摘する。なるほど、かつて「構造」や「記号」や「テクスト」といった合言葉のもとでなされてきた探求は、「人間」からその明証性を剥奪する営みと地続きであったと言ってよい。しかし同時にそれは、「現に生き呼吸している具体的な人間の尺度」をけっして忘れることがなかったし、超越的なものの探求においてなお「具体的な人間に注がれる眼差し」を手放すことがなかった(29頁)。本書のひとつの読みどころは、いまだフランス現代哲学が導入・紹介される途上にあった1980年代に、すでにそうしたことを指摘している著者の慧眼にある。

第I部と同じく、第II部(バルト、フーコー)、第III部(リオタール)も、著者の旧稿を新たに構成しなおしたものが大部分を占める。そのため著者の世代の仕事を追ってきた者にとって、そこにさほどの新しさは感じられないかもしれない。だが、70、78年の二度のフーコー来日に立ち会った著者の回想、さらにフランスおよび日本で行なわれたリオタールとの濃密な対話をはじめとして、ここには彼らのいまだ知られざる表情がある。そして、これまで単行本に未収録であったこれら数々のテクストから見えてくるのは、半世紀にわたりフランス哲学の「隣人」でありつづけてきた著者の「冒険」の軌跡である。あるいは本書の表現に拠るなら(8頁)、ここに読まれるのは、フランス現代哲学という星雲の「客観的なマップ」などではなく、むしろひとつの「内部観測」にほかならない。その意味で本書は、著者が言うところの「パッションに貫かれた《人間》」(29頁)が示しうる、ひとつのモデルでもあろう。

2020/12/03(木)(星野太)

許紀霖『普遍的価値を求める──中国現代思想の新潮流』

監訳:中島隆博、 王前
翻訳:及川淳子、徐行、藤井嘉章

発行所:法政大学出版局

発行日:2020/08/20

中国における「現代思想」について、日本語で知りうることはいまだ多いとは言えない。思想史的なアプローチをとったものとしては、本書の監訳者である王前の『中国が読んだ現代思想──サルトルからデリダ、シュミット、ロールズまで』(講談社、2011)という好著があるが、その地理的な範囲の広さも災いしてか、今日の中国における現代思想の勘どころを伝えてくれる学術書が、日本であまり見られないのは残念なことである。

本書は、現代中国を代表する知識人のひとりである許紀霖(1957-)がみずから選定した論文をもとに編まれた、日本語では初の単著である。巻末の出典を見てもわかるように、本書所収の論文が発表されたのはおおむねここ10年ほどのことであり、なおかつ論争的な性格をもつものが多くを占める。現代中国における思想状況を概観するための足がかりとして──とりわけ、評者のような門外漢にとっては──格好の一書である。

著者の中心的な関心事は政治思想にある。より具体的には、今日の世界的な状況のなかで、東アジアの新たな国際秩序をいかに構想するかということに、著者の関心は注がれている。東西のさまざまな思想を理論的フレームとして用いつつ、中国および東アジアの現状を見つめる著者の視線は、日本にいるわれわれのそれとも大いに重なり合うものであろう。

本書の中核をなすのは「新天下主義」という思想である。これは、古代中国における「天下」の概念をもとに、東アジアにおける「新しい普遍」を構想すべく生み出されたものである。著者によれば、この言葉にはさまざまな批判が寄せられており、「歴史上の中華を中心とするヒエラルキーの帝国が捲土重来してくる」のではないか、と懸念を抱く人もいるという(v頁)。ある意味ではそれも当然だろう。しかし、著者があえて「天下主義」という中華的な概念を持ち出してくるのは、西洋由来の「普遍主義」とは異なる、もうひとつの普遍主義を構想するためにほかならない。ここでいう「新」天下主義という表現にはむしろ、かつての天下主義の「脱中心化と脱ヒエラルキー化」を目指すという意味が賭けられているのであり、それをもとに著者は、ヨーロッパにおけるEUに相当するような共同体を東アジアにおいて構想することは可能だろうか、とわれわれに問いかける。

いわゆる普遍主義は、多元主義(多文化主義、文化相対主義)の尊重へとむかった20世紀後半の思潮のなかで、長らく旗色の悪い思想であった。しかし今日ではむしろ、狭隘なナショナリズムに対するカウンターとして機能しうるような、新たな普遍主義が必要とされている。許紀霖の議論が興味深いのは、「普遍」という概念にそもそも複数のかたちがありうるということを、ウィトゲンシュタインの「家族的類似」などに依拠しながら論じるところにある。おそらく本欄の読者にとっても、東アジアの「隣人」たる同時代の知識人が、いま何を考えているのかということは大きな関心事であるだろう。柄谷行人、汪暉、白永瑞らとの思想的対話のなかで練り上げられた本書の議論は、国家や言語の枠組みを越えた、東アジアの現代思想の一面を照らし出すものである。

2020/12/03(木)(星野太)

カタログ&ブックス | 2020年12月1日号[テーマ:100年]

テーマに沿って、アートやデザインにまつわる書籍の購買冊数ランキングをartscape編集部が紹介します。今回のテーマは、弘前れんが倉庫美術館(青森県)で開催中の「小沢剛 オールリターン —百年たったら帰っておいで 百年たてばその意味わかる」にちなみ「100年」。このキーワード関連する、書籍の購買冊数ランキングトップ10をお楽しみください。
ハイブリッド型総合書店honto調べ。書籍の詳細情報はhontoサイトより転載。
※本ランキングで紹介した書籍は在庫切れの場合がございますのでご了承ください。

「100年」関連書籍 購買冊数トップ10

1位:デザインのひきだし プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・加工の実践情報誌 41 特集写真と図解でよくわかる製本大図鑑

編集:グラフィック社編集部
発行:グラフィック社
発売日:2020年10月8日
定価:2,000円(税抜)
サイズ:27cm、159ページ

180度開く製本、コデックス装、スケルトン装、ドイツ装、和綴じ…。日本でいまできる製本を、問い合わせ先も含め徹底的に大紹介。別冊記事「『100年ドラえもん』ができるまで」付き。


2位:一生モノのジャズ・ヴォーカル名盤500(小学館新書)

著者:後藤雅洋
発行:小学館
発売日:2020年1月30日
定価:890円(税抜)
サイズ:18cm、318ページ

究極の「ジャズ歌」名盤ガイド
『ジャズ100年』シリーズ監修の後藤雅洋氏による「ジャズ・ヴォーカル」名盤紹介。『一生モノのジャズ名盤500』『厳選500ジャズ喫茶の名盤』(小学館)同様、ジャケット写真とわかりやすい解説に加え、主要アルバムを「歴史」や「スタイル」ではなく、「実際に聴いた感じ」(目覚めに聴きたい、気分を落ち着かせる時などの “シチュエーション” やウォーム、ハスキー、ソフトなどの “声質” )で分類して解説。また、「ポピュラー・シンガーが歌うジャズ」「21世紀のジャズ・ヴォーカル」など、幅広い視点でジャズ・ヴォーカルの楽しみ方を紹介していきます。難解な専門用語になじみのない初心者からジャズ通までをターゲットとした、ジャズ・ヴォーカル名盤のすべてがわかる1冊です。巻末に、著者インタビューと、アーチスト別索引、全アルバムデータを収録。


3位:死ぬまでに観たい映画1001本 第4版

総編集:スティーヴン・ジェイ・シュナイダー
翻訳:野間けい子
発行:ネコ・パブリッシング
発売日:2020年3月30日
定価:4,800円(税抜)
サイズ:22cm、960ページ

〜100年以上前の名作から最新作まで〜
映画を愛するすべての人に捧げる名作映画ガイドブック決定版!! 表紙デザインも一新、2015年の改訂新版からさらに新作32タイトルを追加収録!! 1902年『月世界旅行』から古今東西の名作を厳選。それぞれの作品の成り立ちから解説まで詳しく記述。映画の歴史がこの1冊に詰まっています。



4位:オーデュボンの鳥 『アメリカの鳥類』セレクション

著者:ジョン・ジェームズ・オーデュボン
発行:新評論
発売日:2020年4月13日
定価:2,000円(税抜)
サイズ:21cm、210ページ

枯れ枝にとまる仲睦まじげな鳥のつがい。伊坂幸太郎ファンにはおなじみのリョコウバト(デビュー作『オーデュボンの祈り』)、人間の愚行のせいで100年あまり前に絶滅してしまいました。
絵の作者オーデュボンは、大革命まぢかの1785年、仏領サン=ドマング(現ハイチ)に生まれました。18歳で渡米、35歳で「北米に生息する野鳥を描き尽くし、世に問おう」と決意します。20年後、その集大成である全435点の博物画集『アメリカの鳥類』が完成しました。天地約1m×左右約70cmの巨大な紙面に、手彩色版画により多様な鳥たちを実物大で描いたものです。幼いころから培った卓抜な観察眼と苦心のすえ編みだした独自の表現法で、「自然のなかで躍動する生命のありのままの姿」をみごとにとらえ、博物画の概念を刷新しました。(中略)
このたび435点のなかから150点を精選し、コンパクトなA5サイズ、オールカラーでお届けします。作品の順序(原作は制作順)は、作者の自然への深い見識に学ぶ意図のもと、テーマ別編成としました。「消える種」の章では、6種が絶滅、21種が危機にさらされている現状が判明します(保全には一刻の猶予もありません)。巻末には実物写真つきのかんたんな解説を付しました。冬に日本に渡ってくる鳥たちも登場します。鳥類愛好家、美術愛好家の方々はもちろん、生物多様性やアメリカ史に関心のある方々もぜひ。プレゼントにも最適です。(編集部)【商品解説】



5位:エレンベルガーの動物解剖学

著者:ヴィルヘルム・エレンベルガー、ヘルマン・バウム
図版制作:ヘルマン・ディットリッヒ
翻訳:加藤公太、姉帯飛高、姉帯沙織、小山晋平
線画制作:加藤公太
発行:ボーンデジタル
発売日:2020年1月31日
定価:4,500円(税抜)
サイズ:24×30cm、321ページ

100年を超えて愛される、動物解剖学の古典名著を復刻!!
美しく描かれた精緻な画像からは、躍動する動物の息づかいまで聞こえてくるようです。動物を描く方には、表からは見えない構造を理解するリファレンスとしてお使いいただけます。架空の動物を創造する方には、クリーチャーに実在感のある構造を与えるリファレンスとして役立ちます。(中略)
本書は、ヴィルヘルム・エレンベルガー、ヘルマン・バウムによって1900年ごろから出版された書籍「Handbuch der Anatomie der Tiere fur Kunstler(芸術家のための動物解剖学)」を1冊にまとめた、翻訳・加筆版です。



6位:映画表現の教科書 名シーンに学ぶ決定的テクニック100

著者:ジェニファー・ヴァン・シル
翻訳:吉田俊太郎
発行:フィルムアート社
発売日:2012年6月23日
定価:2,400円(税抜)
サイズ:24cm、279ページ

カメラ位置、編集、音響の作法から、衣装、ロケーション、色の効果まで…500を超える場面写真と76の脚本抜粋が織りなす映画史100年を貫く映像のレトリック。



7位:ファン・ゴッホの手紙 新装版

著者:ヴィンセント・ファン・ゴッホ
翻訳:二見史郎、圀府寺司
発行:みすず書房
発売日:2017年7月9日
定価:5,400円(税抜)
サイズ:23cm、405+15ページ

ファン・ゴッホの没後100年を記念して、全4巻からなる新しいオランダ語版の書簡全集が1990年に刊行された。これまでに刊行されてきたファン・ゴッホの書簡集は一部に削除、省略、伏せ字などがあったが、近年それらが開示され、原文の綿密な解読作業による修正もなされてきている。この日本語版の一巻本選集は、この面目を一新した書簡全集の全貌を簡潔なかたちで日本の読者に示そうとして編者が新たに編んだものである。また、アルルでの共同生活前後のゴーガンの手紙もこの選集のなかに組み込まれている。



8位:日本映画史110年(集英社新書)

著者:四方田犬彦
発行:集英社
発売日:2014年8月12日
定価:900円(税抜)
サイズ:18cm、264+22ページ

日本映画史の全貌を明らかにした、映画ファン、映画を学ぶ人必携のテキスト。2000年刊の「日本映画史100年」に、日本映画を巡る近年の状況を踏まえ、最新の研究成果も折り込みながら、新たなる論考を加える。



9位:厳選500ジャズ喫茶の名盤 (小学館新書)

著者:後藤雅洋
発行:小学館
発売日:2015年12月1日
定価:890円(税抜)
サイズ:18cm、318ページ

老舗ジャズ喫茶主人が名盤500を厳選!
東京四谷の老舗ジャズ喫茶「いーぐる」の店主であり、小学館のCD付きジャズマガジン「JAZZ100年」「ジャズの巨人」監修者であるジャズ評論家、後藤雅洋氏による、『一生モノのジャズ名盤500』(小学館101新書)に続くジャズCDガイドです。「聴いた感じ」別に18のセクションに分け、500枚のジャズCDを紹介する、というフォーマットは『一生モノの~』と同じですが、今回はよりディープな、いわば「ジャズ喫茶で愛される名盤」を厳選。新しいアルバムも積極的に選び、「次のステップ」を目指すジャズ・ファンに向けて紹介します。巻末に新宿の老舗ジャズ喫茶「ダグ」店主中平穂積氏との対談を収録、ミュージシャン索引も完備。



10位:韓国映画100選

編集:韓国映像資料院
翻訳:桑畑優香
発行:クオン
発売日:2019年12月15日
定価:3,500円(税抜)
サイズ:29cm、259ページ

2013年に韓国映像資料院が選定作業を行った「韓国映画100選」の結果、同率順位を含む101本の映画をまとめ、映画研究者や評論家ら52人による文章を掲載。2014〜2019年を代表する5作品とその解説も収録。
100年間の名画に映し出される日本統治時代、民主化、南北分断、フェミニズム。現存する最古の作品から『パラサイト 半地下の家族』まで、韓国映画の歴史を辿る決定書!





artscape編集部のランキング解説

明治期から100年以上にわたり青森県弘前市の街の風景をつくってきた酒造会社の煉瓦倉庫を改修し、今年7月にオープンした「弘前れんが倉庫美術館」。そこで現在開催されている小沢剛さんの個展のタイトル「小沢剛 オールリターン —百年たったら帰っておいで 百年たてばその意味わかる」でも、「100年」という時間の単位は私たちの想像力をかき立てる不思議な磁力を持っています。
「100年」というキーワードで抽出した今回のランキングでは、映画やジャズの辿ってきた歴史や名作・名盤を振り返る書籍が数多くランクインしています(2位、3位、6位、8位、9位、10位)。映画もジャズも、19世紀末〜20世紀初頭の草創期を経て、この100年と少しの間に現在のかたちに確立されていった比較的新しいともいえる芸術分野。ランクインした本のなかでも、10位の『韓国映画100選』では、隣国でありながら意外と知らない韓国の歴史や文化を、映画作品(カンヌ国際映画祭のパルムドール受賞が記憶に新しい『パラサイト 半地下の家族』なども!)を通して再考するのにふさわしいオススメの一冊です。
その一方で、このたび1位に輝いた『デザインのひきだし』41号は、小学館からこの冬発売された永久保存版の『ドラえもん』全45巻(通称「100年ドラえもん」)の制作過程を取材した製本特集号。「22世紀まで読み継がれる」ことをコンセプトに、装丁・印刷・造本などすべてにこだわり抜いたこの愛蔵版は、『ドラえもん』の原作連載開始50周年を記念しての発売だそう。ほかのページでも、普段私たちが何気なく触れている書籍の「製本」という面に焦点を当てた今号では、その技術の意外な多様性に驚くはず。
また、注目したいのが『オーデュボンの鳥 「アメリカの鳥類」セレクション』(4位)と『エレンベルガーの動物解剖学』(5位)。博物学の一環として観察対象の植物や動物などを写実的・説明的に描き記録する博物画(そしてその知識の土台のひとつである解剖学)に関連した二冊です。収録されている絵の中にはすでに絶滅してしまった動物も。19世紀以降の写真技術の登場によって網羅的な博物図譜が出版されることは減ったものの、いま改めて博物画を眺めると、その精緻な筆跡や構図の選び方などに、写真や絵画では表現できない独自の美意識が感じられます。
いまから100年前の日本は大正9年。近代化があらゆるところで進み、その一方で第一次世界大戦後の恐慌が起こったりと騒がしい時代でした。人間の平均寿命だと少し足りない100年という時間。これらの本を通して見えてくる、各分野のミニマルな歴史に思いを馳せてみてください。


ハイブリッド型総合書店honto(hontoサイトの本の通販ストア・電子書籍ストアと、丸善、ジュンク堂書店、文教堂など)でジャンル「芸術・アート」キーワード「100年」の書籍の全性別・全年齢における購買冊数のランキングを抽出。〈集計期間:2019年11月25日~2020年11月24日〉

2020/12/01(火)(artscape編集部)

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