artscapeレビュー

東日本大震災復興支援「つくることが生きること」神戸展

2013年02月15日号

会期:2013/01/17~2013/01/27

デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)[兵庫県]

2011年3月から始まった東日本大震災復興支援プロジェクト展「つくることが生きること」の神戸展。東日本大震災復興支援活動をサポートするアートプロジェクト「わわプロジェクト」と2012年8月に開館したKIITO(デザイン・クリエイティブセンター神戸)との共同開催で、会期中の土日には阪神・淡路大震災、東日本大震災の復興プロジェクトに関わるアーティストやクリエイターによるトークセッション、ワークショップなどのイベントも多数行なわれた。日本と核の問題にアプローチした全長30メートルの椿昇の巨大バルーン作品、岩手県陸前高田市の震災前と震災後の光景を撮影した畠山直哉と、阪神・淡路大震災直後の神戸を撮影した宮本隆司の写真を巨大スクリーンに投影する展示をはじめ、会場では、東北を中心に活動する復興リーダーたちが等身大でモニタ画面に登場し、これまでの想いを語るインタビュー映像や、阪神・淡路大震災後行なわれてきた支援活動をアート、デザイン、建築の分野別に立体的な年表にしたインスタレーションなど、さまざまな支援プロジェクトの記録や作品が紹介されていた。どの活動も、生きる、という人間の切なる欲求と願い、喜びからつながってきたもので強く打たれる。私もだが、ここに来た多くの人たちの意識に一石を投じるものだったに違いない。まだこれから続く復興に向けて未来に繋いでいかねばならない言葉が詰まっていた展覧会。

2013/01/22(火)(酒井千穂)

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