キュレーターズノート
バックナンバー
高山登 展/公会堂アートショウ+
絵画の庭──ゼロ年代日本の地平から
[2010年02月15日号(植松由佳)]
筆者が勤務する国立国際美術館が大阪の中心地である中之島に移転して5年になる。とはいえ自身が大阪に勤務するようになったのは1年4カ月ほど前からであるのだが、以前の万博記念公園内に位置した時に見た数々の展覧会も強く記憶に残ってもいる。その国際...
‘文化’資源としての〈炭鉱〉展
[2010年02月15日号(山口洋三)]
──近代絵画は虚像の表現論にいろどられながら、かろうじて自立の道を開いてきた。しかし近年における絵画状況は、ますます業界化し、観念化し、作為だらけの八百長の舞台ばかりに終始して、人間や社会の隠された構造と正面から切り結ぶことに背を向けてしま...
札幌美術展「真冬の花畑」
[2010年02月01日号(鎌田享)]
このレポートが掲載される時点ではすでに終了しているのだが、1月31日(日)まで札幌芸術の森美術館にて「真冬の花畑」という展覧会が開催されていた。今回はその紹介というよりは、これをきっかけに改めて考えた公立美術館の役割について、備忘のために...
ベルギー・レポート Vol.3:シャンブル・ダミ展の再評価
[2010年02月01日号(鷲田めるろ)]
ベルギーのゲントでの半年間の滞在を終え、昨年12月に帰国した。今回は「ベルギー・レポート」の最終回として、1986年に行なわれたシャンブル・ダミ展(Chambres d'Amis=友達の部屋)について行なった調査の概要を報告する。
ヨコハマ国際映像祭のレビュー記事
[2010年01月15日号(住友文彦)]
ヨコハマ国際映像祭の仕事で、前回の寄稿以降はほとんど展覧会を見に行っていない。そのため展覧会レビューを書くことはできないのだが、むしろ他の人が書いた展覧会レビューは丁寧に見たので、レビューのレビューのようなことを試みることにした。すでに発...
ネットワークをカタチに──秋冬・青森のアートシーン:「ラブラブショー」&「文化芸術による創造のまちあおもりプロジェクト」
[2010年01月15日号(日沼禎子)]
2008年4月に開館した十和田市現代美術館は、2009年9月までに常設および企画展の累計入場者数が30万人を突破したそうだ。空き地が目立つ官公庁街の全体を美術館に見立てることで魅力的な景観を作り出し、新たなにぎわいを創出させる手法が見事に...
坂口恭平「熊本0円ハウス」/岡田裕子「翳りゆく部屋」
[2010年01月15日号(坂本顕子)]
国と都がホームレス対策として開設した公設派遣村が閉村し、行き場を失った人々は用意されたカプセルホテルに移動したというニュースを見ながらこの原稿を書いている。1年前のデジャヴュのような光景が、新年になっても変わらず続いている。早いもので、す...
睡蓮池のほとりにて──モネと須田悦弘、伊藤存/Gilberto Zorio/Per Kirkeby
[2009年12月15日号(中井康之)]
今期は、担当した展覧会「長澤英俊展──オーロラの向かう所」(10月10日〜12月13日、国立国際美術館)の展示とイベントを終了させた後、11月の1カ月間を在外研修でミラノに滞在するなどの事由により、関西圏での動きを追うことはほとんどできな...