artscapeレビュー
國府理 未来のいえ
2013年08月01日号
会期:2013/06/22~2013/07/28
西宮市大谷記念美術館[兵庫県]
自動車、自転車、バイクなどをモチーフにした乗り物型作品や、環境問題に言及した装置型作品で知られる國府理。彼の作品の最大の特徴は実際に可動・機能することで、そのリアリティが作品に確かな存在感を与えている。本展では、自作の乗り物《電動三輪自動車》、転倒した自動車に苔を植えた《虹の高地》、念力(?)でプロペラを動かす《Mental powered Vehcle》、その姿が福島第一原発事故を想起させる《水中エンジン》など、初期から近作までの12点が紹介された。作品数が思いのほか少なかったのは、作品のサイズが大きいこともあるが、新作を制作するために旧作から部品を調達するという、現実的な事情も影響しているようだ。その事実は残念でならないが、やっと美術館で彼の個展が実現したことを素直に喜びたい。
2013/06/25(火)(小吹隆文)
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