artscapeレビュー

隈 研吾展 Studies in Organic

2009年09月15日号

会期:2009/10/15~2009/12/19

ギャラリー・間[東京都]

隈研吾の本格的な展覧会が久々に日本で開かれる。国内では、2004年に松屋銀座で「隈研吾・負ける建築」展が行なわれ、また2005年にGAギャラリーで「隈研吾展──モックアップス」が開かれたが、それから約5年。海外のコンペでも複数勝利し、いまや国内外でプロジェクトを抱え、疾走し続ける隈の、最新の状況を見ることができる展覧会となるだろう。今回のテーマは「有機的」ということらしい。「負ける建築」から「有機的な建築」へ。また隈が新しいキーワードを打ち出した。おそらく、そこには深い戦略と建築への思考が潜んでいるに違いない。考えてみると、これまでも隈は数々のキーワードで自作を説明してきた。「消える建築」「粒子化する建築」「負ける建築」「自然な建築」、そして今回の「有機的な建築」である。会場には、海外のビッグプロジェクト「ブザンソン芸術文化センター」「グラナダ・パフォーミング・アーツ・センター」の、なんと1/25という巨大模型が現われるというので、展示そのものも注目される。考えてみれば、ギャラリー・間では、1995年に「隈研吾展──建築 転送の速度」が開かれており、それから実に14年ぶりの展覧会である。建築的な展開だけでなく、つねに理論的な前進を遂げる、隈のこれまでの軌跡とこれからの方向性を確認できる展覧会として、ぜひ注目したい。

2009/08/31(月)(松田達)

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