キュレーターズノート
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「奥村雄樹による高橋尚愛」、「表現の森 協働としてのアート」
[2016年07月15日号(住友文彦)]
一見奇をてらった印象を覚える展覧会かもしれない。「奥村雄樹による髙橋尚愛」展は比較的見慣れた並置された2つの個展ではない。高橋尚愛というヨーロッパとアメリカを拠点に活動し続けたアーティストの作品を、奥村雄樹が自分の個展として展示していると...
岡本光博「UFO after / 未確認墜落物体 その後」、島本了多「生前葬」、天神洋画劇場 伊藤隆介の「フィルム・スタディーズ」
[2016年07月01日号(工藤健志)]
むろん「量」としては東京の足下にも及ばないが、ならば地方は「質」で勝負!と言わんばかりに、ここ青森でも、ここ青森でしか見ることのできない良質の展覧会が近年増えてきた。
凸凹(でこぼこ)の凹凸(おうとつ)〜さわってみるこの世界〜 鞆の津ミュージアム
[2016年06月15日号(角奈緒子)]
梅雨を迎えた先日、雨降りの日々の合間をぬって久しぶりに鞆の浦を訪問した。江戸時代には潮待ちの港として栄えた鞆の浦には、かつて使用されていた常夜燈や古い町屋がいまなお残されており、また、坂本龍馬が追手から逃れ潜んでいた邸宅も保存されているな...
Life Is Beautiful──生の美しさ
[2016年06月01日号(能勢陽子)]
「Life Is Beautiful」と題された本展は、作家の森北伸の企画によるもので、2名の現代美術家に加えて、家具作家、製本作家が参加している。現在の美術では、「美しい」という言葉はなかなか使いにくい。それでもある作品を、形や色、完璧...
いま、被災地から ──岩手・宮城・福島の美術と震災復興──
[2016年06月01日号(伊藤匡)]
上野公園では、「320分待ち」となった「若冲展」の奥で、「いま、被災地から」展が静かに開かれている。この展覧会は、国内の美術館、博物館が加盟する全国組織である全国美術館会議(全美)と会場の東京藝術大学、それに岩手、宮城、福島各県の県立美術...
「九州派展」を終えて/「『もの派とアーカイヴ』─海外への発信をめざして─」/福岡市美術館休館/「福岡ミュージアムウィーク」
[2016年05月15日号(山口洋三)]
「九州派展」を終えて間もない2月、九州派の事実上のリーダー的存在であった桜井孝身が亡くなった。昨年4月にはオチオサムも鬼籍に入った。存命の元メンバーも数少なくなり、九州派も歴史のなかに綴じられようとしている。
大原治雄写真展 ブラジルの光、家族の風景
[2016年05月15日号(川浪千鶴)]
大原治雄(1909〜1999)が、高知県いの町から農業移民として一家でブラジルに渡ったのは昭和2(1927)年、17歳のとき。家族や仲間と密林を切り拓いて手に入れたパラナ州ロンドリーナの広大な農場で働きながら、最愛の女性にめぐりあい、ふたり...
北海道の美術家レポート⑨藤沢レオ
「坂野充学と巡る鶴来バスツアー」と「再演」
[2016年05月15日号(鷲田めるろ)]
金沢21世紀美術館で開催した「坂野充学:可視化する呼吸」展の関連プログラムとして、4月23日、「坂野充学と巡る鶴来バスツアー」を実施した。25名の参加者が鶴来でのまちあるきを楽しみ、地元の人たちから話を聞いた。このプログラムを「再演」とい...