artscapeレビュー
KUO Chih-Hung(郭志宏) 個展
2016年09月01日号
会期:2016/07/16~2016/08/14
MORI YU GALLERY[京都府]
郭志宏は1981年台湾生まれの画家である。私は彼のことをまったく知らなかったが、資料によると台北で学んだあと、ドイツに渡って活動しているようだ。本展では山を描いた6点の新作を出品していた。それらに共通するのは、風景を複数の視点と方向から描いていることと、筆致が部分ごとにバラバラで、あえて非統合に画面を構成しているように見えることだ。これらにより、作品は具象画と抽象画を折衷した雰囲気を持つ。また、どの作品も抜けが良いというか、余白や薄塗りの活かし方が絶妙だ。このあたりは伝統的な東洋画の影響があるのかもしれない。今回の6点しか知らないので断言はできないが、気になる作家だった。画廊が今後も取り上げてくれると良いのだけど。
2016/07/23(土)(小吹隆文)