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カタログ&ブックス | 2021年2月15日号[近刊編]

2021年02月15日号

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をartscape編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます




分離派建築会100年 建築は芸術か?

編集:大村理恵子、本橋仁
デザイン:西岡勉
発行:朝日新聞社
発行日:2020年10月
サイズ:B5判、276ページ

日本初の建築運動といわれる分離派建築会。東京帝国大学建築学科の学生たちが、作品展などを通じて旧来の様式にとらわれない新しい建築のあり方を世に問いました。のちに大型の都市建築や住宅建築に携わった建築家も多く輩出しています。本展は、会の結成から100年という節目に開催。図面、模型、写真、映像、関連する美術作品といった多彩な視点で彼らの業績を振り返ります。
図録はオールカラー図版で展示作品を丁寧に紹介しつつ、分離派研究会メンバーによるテキストも収録。本展図録は建築・建築史を学ぶすべての人にとって、第一級の貴重な研究資料ともなるでしょう。



拡張するキュレーション 価値を生み出す技術 (集英社新書)

著者:暮沢剛巳
発行:集英社
発行日:2021年1月15日
サイズ:18cm、269ページ

情報を組み換え、新しい価値を創る!
梅棹忠夫の「知的生産技術」
柳宗悦の「創作的蒐集」
岡本太郎の「対極主義」
ハラルド・ゼーマンの「構築されたカオス」
新たな価値をいかに生み出すのか。
「価値」「文脈」「地域」「境界」「事故」「食」「国策」という七つのテーマごとに、現代美術に限らない「知的生産技術」としてのキュレーションの実践を読み解く。



消しゴム石

著者:チェルフィッチュ×金氏徹平
編集:黒澤浩美、中田耕市、池田あゆみ(以上金沢21世紀美術館)、 板橋茉里、大神崇(SHUKYU)
デザイン:前田晃伸、黒木晃(MAEDA DESIGN LLC.)
発行:SHUKYU
発行日:2021年1月20日
サイズ:A4変型、144ページ

人とモノが主従関係ではなく、限りなくフラットな関係性で存在するような世界を演劇によって生み出すことはできるのだろうか?チェルフィッチュ×金氏徹平は、劇場版『消しゴム山』、美術館版『消しゴム森』を通して、それぞれの異なる形式の中で、人とモノと空間と時間の新しい関係性を提示することを試みています。
その『消しゴム山』、『消しゴム森』の戯曲や上演記録、インタビュー、批評などが凝縮された書籍版『消しゴム石』。消しゴムシリーズを読み解く上で鍵となる一冊です。



石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか

著者:石岡瑛子
寄稿:安藤忠雄、小池一子、杉本博司、佐藤卓、朽木ゆり子ほか
クリエイティブディレクション:石岡怜子
アートディレクション:永井裕明
発行:小学館
発行日:2021年1月28日
サイズ:26cm、336ページ

世界初の大規模回顧展の全貌
日本を代表するアートディレクターであり、グラフィックデザインを皮切りに、プロダクトや衣装デザイナーとしても活躍した石岡瑛子の世界で初めてとなる大規模回顧展が2020年11月から東京都現代美術館にて開催されています(~2021年2月14日)。本書は、その展覧会の公式図録で、石岡瑛子の世界を網羅した決定版となる一冊です。



DOMANI・明日展2021 公式カタログ

発行:文化庁
発行日:2021年2月
サイズ:25cm、152ページ

〈主な掲載内容〉
・全アーティストの作品図版に加え、今回のために寄せられたテキストや略歴等資料
・DOMANI展や文化庁の文化芸術支援と、コロナをめぐる世界の動きをまとめた「新型コロナ禍タイムライン 2020」年表
・2020年夏に緊急開催された「DOMANI・明日展 plus online 2020」のドキュメント
・本展企画者の林洋子(文化庁芸術文化調査官)による論考と、現役在外研修員の清水チナツ(インディペンデント・キュレーター/メキシコ・オアハカ)の寄稿





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2021/02/15(月)(artscape編集部)

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