2018年10月15日号
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artscapeレビュー

カタログ&ブックス│2018年9月

2018年09月15日号

展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。

※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます

富士屋ホテルの営繕さん─建築の守り人─

著者:山口由美、吉田鋼市
写真:白石ちえこ
編集:石黒知子+成相明子
発行:LIXIL出版
発行日:2018年9月
定価:1,800円(税抜)
サイズ:A4判変型、ソフトカバー、72ページ
ブックデザイン:川名潤

富士屋ホテルは、明治11年日本初の本格的リゾートホテルとして箱根に開業した。建築道楽だった歴代社長のアイデアと大工による和洋混交の独特な建物群で構成され、平成9年には文化財に指定された。この老舗ホテルには、「営繕さん」と親しみをもって呼ばれるスタッフが在任し、建築物の営造や修繕を行っている。最近では稀有な例であるため、知る人は少ないが、富士屋ホテルが今日もなお創業当時の趣を残している理由の一つは裏方である営繕さんの仕事にある。 本書は、2018年4月から改修のため2年間休業になった機会をねらい、富士屋ホテルの異色を放つ建築としての見どころを、ホテルの裏側となる営繕の仕事とともに紹介する。

闇の日本美術

著者:山本聡美
発行:筑摩書房
発行日:2018年9月5日
定価:880円(税抜)
サイズ:新書判、ソフトカバー、224ページ

こ、怖い…。思わず目を背けたくなる死、鬼、地獄、怪異、病、など闇が描かれた中世日本絵画の数々。その背景にある思想を数十点の図版とともに解説する。
日本の古代・中世絵画には苦しみ、恐れ、悲しみ、嫉妬、絶望など、世界の暗部をのぞき込むような主題が散見される。本書では絵巻や掛幅画に描かれた闇について、仏教思想や身体観、歴史的事件などを手がかりに「地獄」「鬼と怪異」「病」「死」「断罪」「悲しき女」の各テーマに分けて、よみといていく。日本人は生老病死をどうとらえ、どう描いてきたのか。暗闇からの日本美術入門。

ならず者たちのギャラリー
誰が「名画」をつくりだしたのか?

著者:フィリップ・フック
翻訳:中山ゆかり
発行:フィルムアート社
発行日:2018年8月25日
定価:3,000円(税抜)
サイズ:A5版、ソフトカバー、512ページ

サザビーズの競売人(オークショニア)が案内する、美術史と美術品の価値に影響を与えた魅力的な画商列伝。数量でははかることが難しく、美や質や稀少性といった概念によって左右される美術品の価値。画商が売りこんでいるもの、それは漠然とした、はかり知れない、だが無限の値打ちをもったもの。すなわち芸術家の天賦の才能である。

waterscape

著者:三澤遥
発行:エクスナレッジ
発行日:2018年9月
定価:2,300円(税込)
サイズ:26×20.8cm、ソフトカバー、144ページ

デリケートな構造物と水中の生き物が、絶妙なバランスで成り立っている「waterscape」。新進気鋭のデザイナー、三澤遥氏によって作り出されたこの作品は、不思議な仕掛けと、その中で泳ぐ生き物が織り成す未知の水中景観を生み出し、見る者に新鮮な驚きをもたらします。
水の中の温室。浮く島、沈む島。空気の綿毛……いわゆる「水槽」とは一味違うこれら全14作品の世界を、隅々まで堪能できる美しく緻密な写真で紹介。作品が完成形に至るまでの試行錯誤や、丹念に解説された設計プロセスも掲載。作品をより深く理解して、新たな可能性に満ちている水中作品に没頭できます。

MAM Documents 003
現代美術館は、新しい「学び」の場となり得るか? エデュケーションからラーニングへ

編集:内田伸一、(以下、森美術館)白木栄世、高島澄佳、熊倉晴子
デザイン:森大志郎+小池俊起
企画・発行:森美術館
発行日:2018年5月31日
定価:1,667円(税抜)
サイズ:A5判、ソフトカバー、392ページ

2017年2月に森美術館が開催した国際シンポジウムとさまざまなラーニング・プログラムを実施した「ラーニング・ウィーク」の記録集。国内外の専門家、アーティストが集い、議論を行いました。

丸善ジュンク堂書店 美術書カタログ2018
defrag2

企画・発行:株式会社丸善ジュンク堂書店
収録タイトル数:290
協力出版社数:99社
選書した書店員の人数:55店舗86名
配布開始日:2018年6月1日
定価:無料(全国の丸善ジュンク堂書店店頭で配布中/なくなり次第配布終了)
サイズ:A5判、ソフトカバー、80ページ

2018年6月1日より美術書カタログ「defrag2」を全国の丸善ジュンク堂書店の店舗(文具専門店を除く)にて無料配布いたします。この「defrag」は“書店員が本気で選んだ美術書カタログ”として2013年に刊行・無料配布され、美術やアートにかかわる多くの方に手に取っていただきました。この度、およそ5年ぶりに「defrag2」として、全国の丸善ジュンク堂書店の書店員86名が選んだ290タイトルを収録し刊行いたしました。




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2018/09/15(artscape編集部)

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