2018年01月15日号
次回2月1日更新予定

artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

The Self-Evolving City

会期:2017/09/03~2017/11/12

ソウル市立美術館[韓国、ソウル]

ソウル市立美術館へ。旧裁判所の近代建築のファサードは残るが、あくまでも皮一枚という感じで、背後に現代的な空間が展開する。イギリス年のようで、2階、3階では、ジェレミー・デラーやモナ・ハトゥムなど、ブリティッシュ・カウンシルのコレクションによる日常に目を向けた政治的、社会的な現代アートを展示していた。また1階では、UIAに合わせた建築の企画展「The self-evolving city」を開催し、有名な作品の模型も交えながら、過去から現在、そして未来へと、建築・都市を紹介する。もっとも、個別のキャプションが少ないので、一般の人にわかりにくいのではないかと思われた。

写真:上=ブリティッシュ・カウンシル コレクション 下=The Self-Evolving City

2017/10/15(日)(五十嵐太郎)

Urban Ritornello: The Archives on Community

会期:2017/09/15~2017/12/03

イルミン美術館[韓国、ソウル]

イルミン美術館の「Urban Ritornello: The Archives on Community」展へ。目的は窓学展に出品した鎌田友介の作品である。韓国に残る日帝時代の家屋を調査し、その居住者へのインタビュー映像、資料、図面などを展示していた。韓国における近代の日本家屋は、「敵性家屋」と呼ばれており、負の記憶という意味で震災遺構と重なる建築だろう。来年、彼はソウルで大型のインスタレーションの展示を予定しているという。

写真:鎌田友介作品

2017/10/15(日)(五十嵐太郎)

Papers and Concrete: Modern Architecture in Korea 1987-1997

会期:2017/09/01~2018/02/18

国立現代美術館[韓国、ソウル]

ソウルの国立現代美術館では、美術アワードの展示のほか、建築部門では「PAPERS AND CONCRETE」展を開催していた。後者は社会状況と連動しつつ、1987年から97年までの韓国建築界の言説の変化を振り返る渋い企画である。いわゆる建築作品の展覧会ではなく、研究や教育活動に焦点を当てており、日本でもこういうタイプの建築展はあまりないだろう。巨匠が亡くなった後に登場した4.3グループや教育機関のSAなどを紹介していた。

写真:上=美術アワード 下=「PAPERS AND CONCRETE」展

2017/10/13(金)(五十嵐太郎)

フェスティバル/トーキョー17「わたしが悲しくないのはあなたが遠いから」

会期:2017/10/07~2017/10/15

東京芸術劇場 シアターイースト、シアターウエスト[東京都]

柴幸男「わたしが悲しくないのはあなたが遠いから」を東京芸術劇場のイーストとウエストで続けて観劇した。当事者ではない悲劇への距離を題材とし、たえず劇場の外/隣を想像させる刺激的な試みである。すなわち、舞台は大きな物語の一部でしかない。実際、時々左右の劇場をつないで両サイドの俳優が会話したり、旅行の場面などでは反対側の舞台に俳優が移動していた。先に見たせいもあるが、イーストの方が印象に残る。後でウエストを見ると、思っていたのとちょっと違っていた(イーストで見ることができなかったものが補完されるのかと想像していたため)。

2017/10/09(月)(五十嵐太郎)

震災・大事故と文化財を考えるプロジェクト シンポジウム「厄災の記憶 その表象可能性(はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト)」

いわき芸術文化交流館 アリオス 中劇場[福島県]

いわき芸術文化交流館アリオスの中劇場で開催した震災・大事故と文化財を考えるプロジェクト・シンポジウム「厄災の記憶 その表象可能性」に参加した。現代美術、美術史、広島の原爆、第五福竜丸の事故、民俗学、建築学など、各分野の学芸員や研究者ら、12人が円卓で討議している様子を、ぐるぐるまわりながら藤井光が撮影する。厄災の記憶と表象をめぐってさまざまな話題が語られ、あっという間の休憩なしの3時間だった。これは映像作品として編集され、来年パリで発表される予定らしい。

2017/10/05(火)(五十嵐太郎)

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