2018年10月15日号
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artscapeレビュー

2009年04月01日号のレビュー/プレビュー

黒崎創 写真展「虚空」

会期:2009/02/23~2009/03/07

Port Gallery T[大阪府]

インターナショナルクラインブルーを連想させる深い青が印象的な写真作品は、日没後にほんの一瞬見られる昼でも夜でもない空を撮ったもの。一年のうち、空気が澄んだ冬の2週間程度しか見られない色彩らしい。以前見た彼の作品は濃く焼かれたモノクロの風景写真で、今回の作品とはまったく異なる作風だった。その落差にも驚かされた。

2009/02/23(月)(小吹隆文)

渡辺恂三 展

会期:2009/02/24~2009/03/22

ギャラリーなかむら[京都府]

半透明のフィルムにカラフルな色彩で描いたり、支持体を多面体にしたり、蝋やアラビア糊で防染して染色品のような効果を出したり、シンナープリントを多用したり、さまざまな技法を詰め込んだ渡辺恂三の作品。75歳の大ベテランとは思えぬ感性の柔らかさには感心するしかない。奥の部屋には、22歳のやなぎみわを描いた肖像画もこっそり展示されていた。京都市立芸大で教鞭をとっていた当時に描いたものだ。珍しい作品を見られて得をした。

2009/02/24(火)(小吹隆文)

吉田雷太 展

会期:2009/02/24~2009/03/01

同時代ギャラリー[京都府]

大きなキャンバスいっぱいに描かれた不気味な顔の数々。背景は鮮やかな原色で、顔の部分はマーブリングを思わせる細かな模様で覆われている。この模様は筆で描いたのではなく、彼が独自に編み出した技法なのだという。何とも形容し難いが、
とにかくユニークで存在感がある作品だ。その痛快な突き抜けっぷりに一票を投じたい。

2009/02/24(火)(小吹隆文)

森山蘭子 陶展

会期:2009/02/24~2009/03/01

アートスペース虹[京都府]

珊瑚や朽ちた骨などを思わせる陶オブジェ。表面に開けられた無数の穴は、粘土の塊を細い棒で何百回と突いた痕跡だ。穴の中には赤や青の顔料が染み込んでいるが、表面は拭われたのか地肌が剥き出しで、朽ちた風合いを強調している。悠久の時を経た物体だけが持つ深い味わいを我が物にせんとする強い意志がひしひしと感じられる作品だった。

2009/02/24(火)(小吹隆文)

畠山直哉「光のマケット」

会期:2009/02/20~2009/03/21

タカ・イシイギャラリー京都[京都府]

都会のマンションや高層建築で夜間に煌々と灯る照明をテーマにした「光のマケット」。遠くから作品を見ると、光の部分がやけに生々しいのだが、作品から電気コードが伸びていることに気付き納得。ライトボックスで背面から照らしていたのだ。この方法だと作品全体に光が回って諧調が狂いそうなものだが、本作では絶妙のトーン・コントロールで破綻がまったく見られない。紙焼きとライトボックスの間に透明フィルムに焼いた写真を1枚挟むのがミソらしい。

2009/02/24(火)(小吹隆文)

2009年04月01日号の
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