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バックナンバー
ゴードン・マッタ=クラークに見る都市の現在と未来
[2018年08月01日号(笠置秀紀)]
ゴードン・マッタ=クラーク展を見ながら考えたのは、かつて東京でも起きていたであろう20世紀の都市の変化に、ニューヨークで対峙していた彼の実践と感覚を、どうやったら現代のこの場所に取り戻せるかであった。アートから見えてくる現在の都市と公共を一...
美術館をふと戻って来れる場所に──ジュニア向け鑑賞ガイドの舞台裏
[2018年07月15日号(藤吉祐子/小林英治)]
美術館でときどき目にする、ジュニア向けの作品鑑賞補助ツール。子どもたちが美術館を訪れ、鑑賞体験をより深めるための問いかけや作品解説が掲載されていることが多いこういった美術館発行の印刷物のなかで、国立国際美術館が昨年発行した『アクティヴィティ...
【ウィーン】歴史と共鳴するコンテンポラリーアート
[2018年07月01日号(丸山美佳)]
オーストリアの首都ウィーンは、過去のハプルブルク家の栄光とともにグスタフ・クリムトやエゴン・シーレに代表される世紀末美術やウィーン・アクショニズムなど、芸術においては一昔前のイメージが強いかもしれない。しかし、ロンドンやベルリン、パリなどヨ...
街を変えるアートとアソシエーション──MAD CityとYCAM
[2018年06月15日号(寺井元一/城一裕/石川琢也)]
千葉県松戸市の一角に「MAD City」と呼ばれるエリアがある。2011年からこの場所で特異なまちづくりを仕掛けるのは、まちづクリエイティブ代表の寺井元一氏。日本各地でアートとまちづくりの関係が試みられるなかで、地域とアートはどのように関わ...
【インドネシア】インドネシアのバンブー・アーキテクチャ
[2018年06月01日号(阿部光葉)]
この数年、東南アジアの島嶼インドネシアでは竹建築ブームが加速している。なかでも日本人に人気の高い国際的観光地バリ島は、高層過密都市のジャカルタなどに比べて竹を多用した商業建築が目立つ。その華やかな観光地の裏では、竹でできた素朴でユニークな伝...
拡張するKYOTOGRAPHIE──京都から発信する写真の力
[2018年05月15日号(吉川直哉)]
インバウンドで賑わう日本の都市の中で、古くから国際的にも名実ともにその魅力が知られる京都で、2013年から「京都国際写真祭 KYOTOGRAPHIE」が毎春に開かれている。近年、日本各地の都市や地域で、大小のさまざまな芸術祭が開かれるように...
【ニューヨーク】彫像のリアリズムと実像、幻想の狭間で──ドナテッロからジェフ・クーンズまで
[2018年04月15日号(梁瀬薫)]
メトロポリタン美術館の分館メット・ブロイヤーで開催されている彫刻展が、春シーズンの展覧会で、とりわけ注目を集めている。企画はメトロポリタン美術館のヨーロッパ彫刻・装飾部門と近代・現代美術部門の2部門によるコラボである。14世紀の大理石や木彫...
彫刻を見よ──公共空間の女性裸体像をめぐって
[2018年04月15日号(小田原のどか)]
日本で育った大多数の人々にとって、「美術」「彫刻」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、古風な衣服をまとった西洋人の石膏像と並び、駅前や公園など、屋外の公共空間にある記念碑的な人物銅像(その多くが裸体を晒している)ではないだろうか。しかし(「美術...
【パリ】偉大な科学者の功績を展示する方法──「実験者、パスツール」展
[2018年04月01日号(栗栖智美)]
パリは年明けからセーヌ川の増水と大雪による交通機関の麻痺など自然災害によるアクシデントに見舞われたが、ようやく肌寒さの中に春の気配を感じられるようになった。インフルエンザ・ワクチンを打ちましょうという広告も落ち着き、三寒四温を繰り返しながら...