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みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2018
[2018年10月15日号(白坂由里)]
東日本大震災の前後から全国的に広がった「芸術祭ブーム」は、美術館に足を運ばない層の人々にも作品に親しむ機会や、屋外インスタレーションを得意とする作家の活躍の場を広げたが、ともすれば単調な作品巡礼にもなりがちで、1、2回で終了してしまうケース...
【アジア】アートブックフェアの現在地
[2018年10月01日号(安東嵩史)]
「アジアが熱い」と言われ始めて久しい。 その言葉にはいくつかの要素が含まれるが、まずはなんといっても特徴的な人口動態がある。国際連合の2008年度調査では世界の若者人口(ここでは15〜29歳)のうち実に30%を東南アジアが、28%を南アジア...
【韓国】アーカイブとしての映画祭の可能性──ソウル実験映画祭(EXiS)レポート
[2018年09月15日号(阪本裕文)]
2018年7月12日から19日にかけて、韓国にてソウル実験映画祭(Experimental Film And Video Festival In Seoul|EXiS)が開催された。今回、筆者はEXiSに参加したので、ここでは実際に観たプロ...
【タイ】写真の呪物性と多元化する表現──PHOTO BANGKOKとタイの写真史から
[2018年09月01日号(小高美穂)]
これまで写真表現の中心は長らく欧米諸国がリードしてきた。しかし近年、アフリカや中東、南米、そしてアジアの写真家たちの活躍が目立ってきている。現在、タイのバンコクで写真フェスティバル「PHOTO BANGKOK(フィト・バンコク)」が開催中だ...
【香港】産業遺産はAssembleによってどう生まれ変わるか──Centre for Heritage Arts and Textile(CHAT)の挑戦
[2018年08月01日号(マシュー・レオン/高橋瑞木/金田泰裕)]
20世紀なかばに世界で隆盛を誇った香港の繊維産業の遺構が、いまアートセンターに生まれ変わろうとしている。 Centre for Heritage Arts and Textile(CHAT) は、かつて香港で最も大きな紡績会社であった南豐紡...
ゴードン・マッタ=クラークに見る都市の現在と未来
[2018年08月01日号(笠置秀紀)]
ゴードン・マッタ=クラーク展を見ながら考えたのは、かつて東京でも起きていたであろう20世紀の都市の変化に、ニューヨークで対峙していた彼の実践と感覚を、どうやったら現代のこの場所に取り戻せるかであった。アートから見えてくる現在の都市と公共を一...
美術館をふと戻って来れる場所に──ジュニア向け鑑賞ガイドの舞台裏
[2018年07月15日号(藤吉祐子/小林英治)]
美術館でときどき目にする、ジュニア向けの作品鑑賞補助ツール。子どもたちが美術館を訪れ、鑑賞体験をより深めるための問いかけや作品解説が掲載されていることが多いこういった美術館発行の印刷物のなかで、国立国際美術館が昨年発行した『アクティヴィティ...
【ウィーン】歴史と共鳴するコンテンポラリーアート
[2018年07月01日号(丸山美佳)]
オーストリアの首都ウィーンは、過去のハプルブルク家の栄光とともにグスタフ・クリムトやエゴン・シーレに代表される世紀末美術やウィーン・アクショニズムなど、芸術においては一昔前のイメージが強いかもしれない。しかし、ロンドンやベルリン、パリなどヨ...
街を変えるアートとアソシエーション──MAD CityとYCAM
[2018年06月15日号(寺井元一/城一裕/石川琢也)]
千葉県松戸市の一角に「MAD City」と呼ばれるエリアがある。2011年からこの場所で特異なまちづくりを仕掛けるのは、まちづクリエイティブ代表の寺井元一氏。日本各地でアートとまちづくりの関係が試みられるなかで、地域とアートはどのように関わ...