フォーカス
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反近代の逆襲──現代美術の見世物的転回に向けて
[2017年05月15日号(福住廉)]
千葉県の国立歴史民俗博物館で「見世物大博覧会 現代編」が開催されている(7月17日まで)。昨年、同館および国立民族学博物館が共催した「見世物大博覧会」の続編で、展示されているのは志村静峰による絵看板をはじめ、「人間ポンプ」こと安田里美によ...
ようこそ、藤森王国へ──「藤森照信展 自然を生かした建築と路上観察」
[2017年04月15日号(岡啓輔/井関悠)]
藤森照信は建築史家として日本近代建築を研究するかたわら、80年代に赤瀬川原平らと路上観察学会 ★1 、縄文建築団 ★2 を結成し、自由な発想とユーモア、現場の行動力とで「建築」の間口を世にひろく開いた。建築家としてデビューしたのは44歳の...
【ストックホルム】原子炉跡で見る「天から送られた手紙」──中谷宇吉郎写真展
[2017年04月15日号(野村志乃婦)]
2月17日、スウェーデンのストックホルムで中谷宇吉郎の写真展「Letters from Heaven(天から送られた手紙)」を見た。高谷史郎によるアーティスティック・ディレクションのもと、膨大な研究資料から選び出され、高解像度ジークレープ...
【インドネシア】「Rest AREA〜アーティスト、インドネシアを読む」展に見る「インドネシアなるもの」
[2017年04月01日号(本間久美子)]
2017年3月、インドネシア国立ギャラリーで「Rest AREA〜アーティスト、インドネシアを読む」と題されたアートビエンナーレが開催され、全34州中26州100人のアーティストの100作品が展示された。インドネシアは「多様性のなかの統一...
アピチャッポン・ウィーラセタクン──政治と日常の親密さ
[2017年03月15日号(徳山拓一)]
2016年以降、日本でアピチャッポン・ウィーラセタクンの作品を観ることができる機会が増えている。劇場映画では最新作『光りの墓』(2015)の公開に合わせ、過去作品を含む多くの上映会が開催された。また、美術作品では横浜美術館での「BODY/...
セレンディピティが解く地域社会の課題──ソーシャルアートの人材育成
[2017年03月01日号(石川琢也)]
九州大学ソーシャルアートラボ(以下、SAL)が2016年度に実施している、福岡市と八女市をつなぐアートプロジェクト「FUKUOKA × YAME REMIX」。本プログラムは、「地域づくりとアート実践プログラム」という人材育成の枠組みで八...
音の展開2017
[2017年02月15日号(金子智太郎)]
美学・聴覚文化研究の金子智太郎氏による、音とアートをめぐるレポート。artscapeにて2013年に掲載された「[“音”の現在形]聴くこと、見ること、知覚すること──音=楽=アートの現在形」、2014年の「いま知っておくべきアートワード5...
【パリ】Le Grand Musée du Parfum──新時代の香水博物館
[2017年02月01日号(栗栖智美)]
フランスで生きた芸術と言われる香水。19世紀のパリでは、才能ある調香師によって次々と革新的な香水が発売され、多くの芸術家やブルジョワジーを魅了してきた。そんな古きよき時代のパリの面影が残るフォーブール・サントノレ通りに、昨年12月16日、...
12人の移動するアーティスト
[2017年01月15日号]
2016年は新しい芸術祭がいくつもスタートし、芸術祭が乱立した年だと記憶されるでしょう。多くの来場者をカウントした一方で、芸術祭を開催する意義や必要性、方法についてもさまざまな問題提起がなされました。 2017年初頭のフォーカスは、芸術祭で...