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観ることのパフォーマンス──高嶺格論:横浜美術館「高嶺格:とおくてよくみえない」をとおして
[2011年03月01日号(沢山遼)]
美術館に入ると、意味のとれない高音の叫び声が聞こえる。ちょうどその声と同期するように、エントランスホールに掛けられた巨大な白い布の複数の箇所が凸面状に隆起している。その後で布の後ろ側に廻って確かめれば、さきほど発せられた「声」によって隆起...
静かな芸術闘争
[2011年03月01日号(太田佳代子)]
今でこそ、北京の代表的アートゾーンとして定着した798地区。一見、中国社会の最先端をいくかのような華やかな印象を持ちながらも、しかし厳しい現実に晒されているケースが多いのも、北京のアートゾーンだ。
モダニズムと前衛の消長(国立新美術館「シュルレアリスム展」レビュー)
[2011年02月15日号(暮沢剛巳)]
1920年代のパリに始まり、約40年間続いた20世紀最大の芸術運動「シュルレアリスム」の全貌を、48人の作家による約170点の絵画、写真、彫刻などでたどる「シュルレアリスム展」……過去に何度も開催されたポピュラーな展覧会だが、今回は、従来...
妹島和世インタビュー:新しい公共性について──2000年以降の建築実践
[2011年02月15日号(妹島和世/鷲田めるろ)]
2010年に、SANAAとしてプリツカー賞を受賞し、ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展ではディレクターを務めるなど日本人建築家として世界に大きく存在感を示した妹島和世氏。当サイト開設15周年記念事業「Dialogue Tour」の特別インタ...
「ルール」を介した表現
[2011年02月01日号(多田麻美)]
ルールや原則など、ある特別な「設定」のもとに行なわれる表現、というものがある。インターネット中毒が社会問題となり、バーチャルな世界と日常との境がどんどんと消失しつつある今、敢えてある条件のもとに自らをおいて表現を行なうことは、まるでPCゲ...
2011年、美術の展望
老鮫と若き錬金術師 ガゴシアンとワース
[2011年01月15日号(木村浩之)]
今、不況から回復しつつあるように見えるアートビジネス界で、最も目立つ2人がいる。ラリー・ガゴシアン(アメリカ)とイワン・ワース(スイス)だ。今回は、『Art Review』誌(イギリス)恒例のアート界権力番付「The Power 100」...
2010年のアートシーンを振り返る
[2010年12月15日号(村田真/福住廉)]
2010年の最後の特集として、本サイトでレビュアーを務めていただいている村田真氏と福住廉氏に今年のアートシーンを振り返ってもらいました。美術作家、展覧会、美術館、キュレーター、書籍から見えてくる2010年の姿とは?
盒の中のパフォーマンス
[2010年12月01日号(多田麻美)]
冬の北京はパフォーマンスがよく似合う。凍りつくような空気と、「身体で勝負」がメインの、時に肉体的限界にチャレンジするような表現との組み合わせが、観る者の五官に強いインパクトを残すからだろう。その意味で、野ざらしの寒さも、石炭ストーブの煙た...