artscapeレビュー
瀧弘子展 うつしみ
2016年06月01日号
会期:2016/05/14~2016/06/04
CAS[大阪府]
自身の身体を用いたパフォーマンス、写真、ヴィデオ・インスタレーションなどで知られる瀧弘子の新作展。最近の彼女は、鏡に写る自身の姿を鏡面になぞり描きし、照明を当てて反射光を壁面に投影する作品を手掛けている。本展では光の代わりに自身を撮影した動画を用いて、壁面に静止画と動画が重なって投影される新作を発表。同シリーズのさらなる深化に成功した。また、男性器をモチーフにした創作折り紙を発表していたのも気になるところ。彼女の創作折り紙は以前にも見たことがあり、即興的につくったとは思えぬ出来栄えに感心した記憶がある。今回の作品を見て、その才能がただ者ではないことを確信した。こちらも今後の展開が楽しみだ。
2016/05/16(月)(小吹隆文)