artscapeレビュー
小吹隆文のレビュー/プレビュー
現代美術への視点──エモーショナル・ドローイング
会期:11月18日~12月21日
京都国立近代美術館[京都府]
そのものずばりのドローイングもあれば、これがドローイング? と首をかしげる作品もあった。映像(アニメ)が多いのは、次々と湧き上がる衝動を余さず留めたいという気持ちの表われなのか(映像作品を仕上げるプロセス自体はドローイングほど直感的ではないように思われるのだが)。恣意的でアバウトなドローイングというジャンル。でも、その曖昧さこそ大きな可能性の担保なのだろう。個人的にはホセ・レガスピの作品が一番気に入った。辻直之のも良かった。
2008/11/30(日)(小吹隆文)
寺田真由美 新作展 明るい部屋の中で vol.3
会期:11月27日~12月28日
Gallery OUT of PLACE[奈良県]
自作したミニチュアの室内を撮影した写真作品で、現実と虚構、存在と不在の狭間を表現する寺田真由美。だが、新作では室内から外の景色を臨む作風へと変化が見られた。外の景色は実際の風景を写真撮影して立て掛けたらしい。なかには室内がほとんど写っていない作品もある。もはやセットは不要ということか。過渡期の作品を前に、今後の展開についてあれこれ思いを馳せた。
2008/11/27(木)(小吹隆文)