artscapeレビュー
artscape編集部のレビュー/プレビュー
カタログ&ブックス│2010年03月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
対照guide
2009年10月10日(土)から2010年1月11日(月)まで川崎市岡本太郎美術館で行なわれた「対照 佐内正史の写真」のカタログ。テキストと川崎市岡本太郎美術館の周辺写真が繰り返されているもので、美術館での展示とは違う構成になっている。
日常/場違い
2009年12月16日(水)から2010年1月23日(土)まで神奈川県民ホールギャラリーで行なわれた「日常/場違い」のカタログ。載っている作品も変わっているが、カタログ自体も変わっている。4つの大きさに分けられた冊子をそれぞれ中に挟み込んで留められていたり、保存用ケースも3色の中から選べたりと、カタログだけでも楽しめる。
「'おいしく、食べる'の科学展」フォトカードセット
写真家、新津保建秀によって撮影された「'おいしく、食べる'の科学展」の会場の写真を空間・展示デザインを手がけた建築ユニット「assistant」が編集を行なったフォトカードセット。ポストカードになっているものと、裏に展示のコンテンツが掲載されているものがある。
コンセプション
演劇ユニット「チェルフィッチュ」を主宰する岡田利規の対話集。『わたしたちは無傷な別人であるのか?』の公開リハーサルにあわせて行われた、レクチャーと対談4本を収録。話者は、佐々木敦、桜井圭介、池田扶美代、ティム・エッチェル。
植物の化石 5億年の記憶
INAXギャラリーで2010年3月5日(金)から2010年5月20日(木)まで行なわれる「植物化石展/5億年の記憶」と併せて刊行されたカタログ。化石の写真、イラスト、テキストによって、さまざまな種類の植物の化石が解説されている。
2010/03/15(月)(artscape編集部)
カタログ&ブックス│2010年02月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
荷風と明治の都市景観
赤レンガが嫌いだったという、永井荷風の都市景観に対する考えをたどった一冊。何がよい建築とするのか、そしてどのようにして美しく都市を形成していくのか。それを明治という東京の原点となる時代から考えることができる。
WINDSWEPT WOMEN:老少女劇団
2009年ヴェネチア・ビエンナーレ日本館出品作家に選出され、いま日本で最も注目されるアーティスト、やなぎみわ。本書ではヴェネチア・ビエンナーレでの内側を解説。撮影風景や、写真の額の作りや、搬入設営など細かな部分にも焦点を当てる。
乾隆帝の幻玉──老北京骨董異聞
北京の旧市街地を縦横に走る横町、「胡同」を歩いていると、その昔ながらの風景や人々の今の暮らしぶりが目に入ってくる。そこでかつて繰り広げられていた物語を生き生きと想像しようとすると、意外と手掛かりは少ない。本書では、かつての胡同の文化、北京っ子たちの暮らしぶり、そこで生まれた豊かなドラマにもう一度触れることができる。作者である劉一達氏が、膨大な数の人々を丁寧にインタビューし、実に豊かなディテールを表現している。
レベッカ・ホルン
2009年10月31日(土)から2010年2月14日(日)まで東京都現代美術館で行なわれていたレベッカ・ホルン展のカタログ。日本での初の個展ということで、28歳で参加した「ドクメンタ5」の初期の作品から、最新作まで映像・絵画・彫刻・インスタレーションを含む主要作品約130点を紹介。
2010/02/15(月)(artscape編集部)
カタログ&ブックス│2010年1月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
杉本博司 今児島──アート・建築・拾集
2009年4月25日から5月17日まで大原美術館で行なわれた「杉本博司 今児島──アート・建築・収集」展のカタログ。この展覧会では杉本博司の写真は勿論、自身の制作の思想の基となる拾い集めた物の展示を行なっている。カタログではそれらを杉本氏自身の撮影とキャプションで構成されていて、作品の内面性を感じることが出来る。
世界の、アーティスト・イン・レジデンスから
世界中から集まったクリエイターたちが制作や発表を行なう活動、アーティスト・イン・レジデンス。通称「AIR」。この本ではカタログのように、アーティストやAIRの活動紹介を行なっている。巻末には厳選された520件のAIRの連絡先が掲載されている。
THE JOY OF PORTRAITS/Keizo Kitajima
2009年5月22日から7月5日までラットホールギャラリーにて開催された、北島敬三個展「PORTRAITS」を記念し発売された写真集。第1巻には1992年にはじめられ現在もつづくポートレートシリーズ「Portraits」が、第2巻には、「Tokyo 1979」「NewYork 1981-1982」「U.S.S.R. 1991」などが収められている。全2巻ケース入り、限定1,500部。
Any:建築と哲学をめぐるセッション 1991-2008
20世紀最後の10年に開催された建築と哲学をめぐる国際会議Any Conference──日本語版議事録のみに収録された全討議を集成。磯崎新、浅田彰、柄谷行人による2008年の討議を新たに収録、建築─批評─哲学が直面する現在的課題に迫る[本書帯より]。
ビルディングの終わり、アーキテクチュアの始まり 10 years after Any
本書に収録された磯崎新、浅田彰によるテキストは、1991年から2000年まで世界の諸都市で開催された、建築と哲学を討議する《Any Confernce》のために共同で執筆されたものである。巻頭に、現在の建築状況を解読する磯崎新の書き下ろし論考を収録[本書帯より]。
2010/01/15(金)(artscape編集部)
カタログ&ブックス│2009年12月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン
2009年11月28日から2月7日まで東京都写真美術館にて開催されている『木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン 東洋と西洋のまなざし』展カタログ。同時代に生きた世界的な写真家が東洋的視点と西洋的視点を持ってそれぞれの写真表現を掲載。同じライカの視点を通した共通の表現が感じられる。
東京ゼンリツセンガン
『東京旅日記』『東京夏物語』『乳房、花なり』『今年』『東京エロス』『東京緊縛』『エローマ・モノクローマ』『空』『東京恋愛』アラーキー写真集シリーズの第10弾!! ガンから生還したアラーキーの目に写る東京風景とは!![ワイズ出版サイトより]
INAX BOOKLET 糸あやつりの万華鏡 結城座375年の人形芝居 A Kaleidoscope on Strings 375 Years of Edo Marionette Theatre YUKIZA
INAXギャラリーにおける「糸あやつりの万華鏡 結城座375年の人形芝居」展にあわせ刊行されたブックレット。七代目市川染五郎と唐十郎が「結城座考」を、演劇評論家の大笹吉雄が論考を執筆。
デザインの小さな哲学
デザイナーのみならず、今後の文化の行方を問う者にとって必読のデザイン論。稀代のメディア・コミュニケーション論者にして、哲学的エッセイの名手が、designという語の意味や、デザイナー倫理から、デザインと神、東洋と西洋のデザイン観、傘やタイプライターや潜水艦、都市計画までを縦横に論じた。あらゆる領域でデザインが注目されるいま、デザインとは何であり、何でありうるか? 小さな一冊に、感性や思考への触発スイッチが多数仕掛けられた刺激的良書の待望の邦訳。[本書背表紙より]
超域 文化科学紀要 第14号 2009
東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻の発行する、毎年一回刊行の査読付研究雑誌。
2009/12/15(火)(artscape編集部)
カタログ&ブックス│2009年11月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
DEEP IMAGES──映像は生きるために必要か
CREAM ヨコハマ国際映像祭の公式カタログ。映像が氾濫し、単に鑑賞することだけでなく、大衆が映像を利用する側へと変わりつつある現代で、表面的に捉えるのではなく、より深い意味での映像を再構築するため、映像作家や、さまざまな地域の気鋭の論考を紹介。
Studies in Organic Kengo Kuma & Associates
GALLERY間での展覧会に合わせて出版された書籍。隈研吾の最新プロジェクトからコンペ案、初期の代表作まで36作品を「有機的」という観点から編集されている。
日本写真集史 1956-1986
60年代から70年代にかけての写真黄金期につくられた歴史的に重要な写真集から、希少本や私家版など含め、多種多様な60作に及ぶ写真集を、写真誌の研究者でもあり、写真コレクターでもある金子隆一が紹介。いまではほとんど見ることが不可能な写真集の画像やそれに関するエピソ─ドも掲載されている。
YCAM WORKSHOPS
山口情報芸術センターでの展覧会の関連企画や教育的な観点から行なわれたワークショップのカタログ。合計6冊のカラフルな冊子で構成され、それぞれにワークショップの構想、会場構成、ワークショップ修了の分析やコメントなどがまとめられている。
2009/11/17(火)(artscape編集部)