artscapeレビュー

「ドキドキ・ワクワク ファッションの玉手箱──ベスト・セレクション123」展

2014年06月01日号

会期:2014/04/12~2014/07/08

神戸ファッション美術館[兵庫県]

18世紀から現代までのさまざまな衣裳全般、関連資料を収集してきた神戸ファッション美術館の名品を123点公開する展覧会。展示は、18世紀ロココの時代から始まって20世紀へ、世界の民族衣装と現代というように、時代毎のファッションの変遷がわかるよう工夫されている。衣裳だけでなく靴・帽子・アクセサリーを身につけ同時代の化粧とヘアメイクを施されたマネキンによる展示(ちなみにマネキンはそれぞれが違う造形となっており、各時代を象徴する)や、絵画のなかにみられる同衣裳の表示・関連する写真・ポスター・版画・映像・雑誌等のメディアをフル活用して、各時代のスタイルの魅力を余すことなく伝えている。とくに興味深かったのは、18世紀から19世紀にかけての衣裳群とアクセサリー類。もちろんオリジナルで保存状態の素晴らしいものを、ガラスケースなしに見ることができるから、ドレスの裁縫技術や生地感・テクスチュア【テクスチャ】を目でしっかり確かめることができる。当時の丁寧な仕事ぶりと高い技術のありようが生み出す服飾の造形に、思わずため息が漏れた。[竹内有子]

2014/05/03(土)(SYNK)

artscapeレビュー /relation/e_00025966.json l 10099431

2014年06月01日号の
artscapeレビュー