2017年05月15日号
次回6月1日更新予定

artscapeレビュー

ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝─ボスを超えて─

2017年05月15日号

twitterでつぶやく

会期:2017/04/18~2017/07/02

東京都美術館[東京都]

ブリューゲルの《バベルの塔》が来る。もちろん1点だけではなく、ロッテルダムのボイマンス美術館から16世紀を中心とするネーデルラントの絵画、彫刻、版画89点が来るのだが、こういうタイトルだとそれ以外の作品が前座みたいでちょっと哀しい。最初は彩色木彫の聖人たちが並んでいて面食らう。その後、ディーリク・バウツやヘラルト・ダーフィットらの生硬な宗教画が続き、やや眠くなってくるが、ヨアヒム・パティニールの不穏な空気を漂わせる風景画で目が覚め、ボスの謎解きみたいな《放浪者(行商人)》と《聖クリストフォロス》の2点で立ち止まり、版画はサーッと横目で見ながら通りすぎて、ようやく真打ちの《バベルの塔》にたどりつく仕掛け。絵を拡大したディスプレイの向こうに鎮座するホンモノを見て、だれもが思うのは「こんなに小さいの!?」。縦60センチ、横75センチだから20号程度なので、実際はそんなにちっちゃいわけではないけど、なにせ壮大な建造物をこと細かに描き込んであるものだから、つい大作をイメージしてしまうのだ。拡大写真もあるけど、せっかくホンモノが来ているんだから、ここはやはり単眼鏡を持参してじっくり堪能したい。

2017/04/14(金)(村田真)

▲ページの先頭へ

artscapeレビュー /relation/e_00039205.json l 10135532

2017年05月15日号の
artscapeレビュー

文字の大きさ