2017年09月15日号
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artscapeレビュー

開館10周年記念展 キース・ヘリングと日本:Pop to Neo-Japonism

2017年05月15日号

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会期:2017/02/05~2018/01/31

中村キース・ヘリング美術館[山梨県]

八ヶ岳山麓にある中村キース・ヘリング美術館が開館10周年を迎え、この“落書き小僧”と日本との接点を探る企画展を開いている。そもそも中村ってだれ? なんで八ヶ岳にキースの美術館が? と疑問に思うかもしれない。30年ほど前、医薬品開発支援を手がけるシミックホールディングスのCEO中村和男氏が、ニューヨークの店頭で偶然キース・ヘリングの絵を見かけてひと目惚れしたのが始まり。以来キースの作品ばかりを集め、10年前に故郷の山梨県に美術館を建てるまでになったのだ。赤い外壁が目立つ建物の設計は北川原温。山腹の傾斜をそのまま生かして、暗い闇の部屋から光に満ちた明るい部屋へと徐々に上昇していく仕掛けだ。
今回の展示は、1983年に初来日して以来日本で制作した作品を中心にしたもの。巨大な招き猫の表面いっぱいにドローイングしたものや、パルテノン多摩で500人の子どもと共同制作した壁画(公開は期間限定)、墨で描いて軸装したドローイングなどもある。この墨のドローイングは83年の作品で、ぴあ株式会社のコレクション。じつはその前年の暮れ、ぴあに在籍していたぼくはキースを取材するため急遽ニューヨークに飛ばされたのだ。わずか10日足らずだったが、昼は彼のアトリエで取材し、夜は地下鉄のグラフィティ描きやギャラリー巡りにつきあい、とても貴重な体験をさせてもらった。今日は10周年記念座談会があり、そんな話もした。

2017/04/08(土)(村田真)

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