2017年12月15日号
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artscapeレビュー

彌永ゆり子個展 イメージズオアペインティングス

2017年12月01日号

会期:2017/10/24~2017/10/29

KUNST ARZT[京都府]

本展は絵画展だが、展示されている作品はキャンバスや紙に絵具で描いたものではない。パソコンのお絵かきソフトで描いた絵をディスプレイで展示しているのだ。作家の彌永はデジタル・ネイティブで、幼い頃からパソコンで絵を描いていた。彼女にとって道具が何であるかはさほど問題ではないようだ。作品の特徴は、完成した状態(静止画)だけでなく、制作過程や加筆・修正など(動画)も作品の一部として見せていること。また、作品が完成したら上書きをして、別の作品が始まることもある。つまり、明確な始まりと終わりがないのである。道具が何かよりも、こちらのほうが革新的ではなかろうか。近年、漫画業界では手描きよりもパソコンで描く漫画家が増えているという。美術界でも同様の状況が起こるのだろうか。その時、従来のジャンル分けは無効となるだろう。彌永の作品は単に物珍しいだけではなく、今後美術がどのように変容していくのかを示唆している点で興味深い。

2017/10/24(火)(小吹隆文)

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