artscapeレビュー

2011年02月15日号のレビュー/プレビュー

プレビュー:山本太郎個展「古典 - the classics - チェリー」

会期:2011/02/12~2011/03/19

イムラアートギャラリー[京都府]

古典絵画に現代的な要素を取り入れたその「ニッポン画」に、近年は日本の古典の物語を織り込むという表現を試みている山本太郎。 京都では二年ぶりの個展となる今展は、名古屋、東京、金沢を巡回した「古典 -the classics-」という展覧会のシリーズ。謡曲の「桜川」と「隅田川」をテーマに昨年制作された二曲一双の大作のほか、源氏物語の一場面を描いた新作、小作品も展示される。

2011/02/14(月)(酒井千穂)

プレビュー:林勇気 展「あること being /something」

会期:2011/02/18~2011/03/19

兵庫県立美術館[兵庫県]

兵庫県立美術館で、今年度から始まる注目作家紹介プログラム“チャンネル”。このプログラムのタイトルは、英単語〈channel〉の複数の意味に共通する「何かと何かをつなぐこと」を踏まえてつけられたという。その第一回目は、関西を拠点に活動する映像作家・林勇気の個展。一見CGアニメのように、登場人物や背景が淡々と動くその作品は、林自身が撮影しパソコンに取り込んだ膨大な写真資料をひとつずつ切り抜き、張り合わせるという手法で制作されている。今展では、その展示作品の素材となる写真が公募によっても集められた。アーティストと人々が作品ではどのようにつながったのか、見に行くのが待ち遠しい。

2011/02/14(月)(酒井千穂)

カタログ&ブックス│2011年2月

展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。

建築のあたらしい大きさ

著者:石上純也
発行日:2010年12月27日
発行:青幻舎
価格:2,625円(税込)
サイズ:186×128mm


2010年9月18日〜12月26日まで豊田市美術館にて開催された同名の展覧会カタログ。金獅子賞受賞後に初めて展開された5つのプロジェクトを紹介。展覧会では、極小から極大へ、その視点をめくるめく変化させながら、未来の建築の可能性を示唆した。各プロジェクトの会場風景や模型写真、科学的な資料を用いて、石上自身がそれぞれのコンセプトについて語る。


建築とは〈からまりしろ〉をつくることである

著者:平田晃久
発行日:2011年2月1日
発売元:INAX出版
価格:1,890円(税込)
サイズ:210×148mm


世界の階層性について、ヒトの生物学的進化について、農耕の始まりについて、自然と人工について、生命と倫理について等々、これまで建築家が視野の外に置いてきた大きなテーマを取り込みながら、平田晃久が構想する新しい建築観。bilingual。[INAX出版サイトより]


建築とは何か──藤森照信の言葉

著者:藤森照信
発行日:2011年1月28日
発売元:エクスナレッジ
価格:1,890円(税込)
サイズ:192×138mm


「X-Knouledge HOME」誌に掲載された、藤森照信氏の言葉を「建築とは何か」をテーマに再編集。さらに藤森ケンチクを代表する傑作「高過庵」の構成から完成までに描かれた全スケッチを特別収録。藤森氏の考える「建築」がこの1冊で分かります。[エクスナレッジサイトより]


建築家・松村正恒ともうひとつのモダニズム

著者:花田佳明
発行日:2011年2月28日
発売元:鹿島出版会
価格:7,140円(税込)
サイズ:214×154×52mm


戦後間もない愛媛県八幡浜市役所の一職員として、珠玉の学校建築や病院関連施設を設計した建築家、松村正恒。本書は、著者花田の博士学位論文をもとに構成された、松村とその建築に関する初の本格的論考。600頁を超える大著。


アーキテクチャとクラウド──情報による空間の変容

著者:原広司、池上高志、吉村靖孝、塚本由晴、藤村龍至、柄沢祐輔、掬矢吉水、森川嘉一郎、南後由和、大山エンリコイサム
発行日:2010年10月1日
発売元:millegraph
価格:1,575円(税込)
サイズ:256×180×6mm


建築・都市・空間について、それぞれ専門の著者による、対談・インタビュー・リサーチを編集した一冊。

2011/02/15(火)(artscape編集部)

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