キュレーターズノート
バックナンバー
コロナ禍における正反対のふたつの展覧会──ダークアンデパンダン/内藤礼 うつしあう創造
[2020年07月01日号(能勢陽子)]
コロナ禍のもと、特に印象に残った二つの展覧会について書きたい。どちらも、人々が集ったり直接会ったりすることができず、互いに物理的な距離を取らなければいけない状況など予測もしていなかったときから企画されていた展示である。ひとつは、誰でもが自由...
東北の被災地から──コロナ禍の美術館
[2020年07月01日号(山内宏泰)]
東北の被災地、宮城県気仙沼市。復興オリンピックの延期とコロナ禍は被災地にどのような影を落とすことになるのか。例年多数の来館者が訪れるはずの3月、リアス・アーク美術館の入館者数は例年の半分以下まで減少した。4月には緊急事態宣言による約1か月の...
搬入プロジェクトを山口で実施する
[2020年06月15日号(渡邉朋也)]
山口情報芸術センター[YCAM] において、2020年7月25日に「 搬入プロジェクト 山口・中園町計画 」を実施すべく準備を進めている。「 搬入プロジェクト 」は、演出家の危口統之(1975〜2017)が主宰するパフォーマンス集団・ 悪魔...
「わからなさ」を共有すること──「国際アートコンペティション スタートアップ」展
[2020年06月15日号(安河内宏法)]
KYOTO STEAM─世界文化交流祭─実行委員会は、2017年の発足以来、「アート×サイエンス・テクノロジー」を全体のテーマとして、ビエンナーレ形式の「フェスティバル」、芸術系大学を拠点に企業・研究機関と協働し、企業等から提供される技術や...
「非/接触のイメージ 斉木駿介、名もなき実昌」から、オンラインでの「非接触」とギャラリーでの「接触」へ
[2020年06月15日号(正路佐知子)]
コロナ禍の美術界においてもオンラインでの取り組みは急速な発展を見せた。不可抗力とはいえ、オンラインコンテンツの可能性が共通に認識され、選択肢が増えたことは希望でしかない。しかし同時に、オンラインでの体験と直接の鑑賞体験は別物であるとの実感も...
現代美術館が持つ「現代」の意味──「現在地:未来の地図を描くために」展
[2020年06月01日号(野中祐美子)]
2004年にオープンした金沢21世紀美術館は、昨年の9月から開館15周年記念展を開催中だったが、新型コロナウィルス感染拡大防止のための外出自粛により、訪れることが叶わなかった方も多いのではないだろうか。今号より当欄の執筆陣に加わっていただく...
美術館での収集・保存の現状と課題──高知県立美術館「収集→保存 あつめてのこす」展を受けて
[2020年06月01日号(橘美貴)]
「 収集→保存 あつめてのこす 」展(以下、「収集→保存」展)が今春、高知県立美術館(以下、高知県美)で開催された。この展覧会はその名の通り、美術館での「収集」と「保存」という一般の利用者からすれば裏方にあたる活動にスポットを当て...
美術を生活の連続性のなかに置くこと──ポストコロナ時代のアーティスト・イン・レジデンスを考える
[2020年05月15日号(住友文彦)]
さて困った。数カ月前に見た展覧会を振り返るのがいいか、それともオンラインで展開されている展覧会を見た感想を書くのがいいのか。しかし、どちらもいまの気持ちとうまく合致しない。ここは学芸員が見てきたことを書く連載なので、もっと素直に日記のような...
コロナの時代における「弱さ」とは何か──「ライフ 生きることは、表現すること」展
[2020年05月15日号(坂本顕子)]
熊本市現代美術館は2月29日以来、閉館を続けている。それに伴い、4月11日に開幕予定だった「 ライフ 生きることは、表現すること 」展も、現在までオープン延期を余儀なくされている。できる限り早期の展示再開を目指しているが、これまでと同じよう...