キュレーターズノート
バックナンバー
アーティストの証明──制度のなかで見えてきたこと
[2020年10月01日号(山本麻友美)]
今年7月に「無所属系作家確認証発行連合体」という名前の団体を、文化庁からの強い働きかけと提案があり、一般社団法人日本美術家連盟の軒先をお借りして立ち上げた。この団体は 「文化庁・文化芸術活動の継続支援事業」 の申請手続きを簡略化するための事...
地域のコミュニティとつながるために──「金石大野芸術計画」の試み
[2020年10月01日号(野中祐美子)]
金沢21世紀美術館では2017年度から「自治区」というプロジェクトが始まった。これは現代美術に限らず科学や音楽、テクノロジーや文学など他の領域を横断しつつ、「自治」をキーワードにライブ、映像上映、トークなど美術館での展覧会とは違った多様なプ...
「コミュニティー」と「祭り」のあり方──飛生芸術祭から見えてくるもの
[2020年09月15日号(立石信一)]
前回の執筆時点(2020年4月15日号)では、東京2020オリンピック・パラリンピックが延期になるなど、新型コロナウィルスの広がりが大変なことになってはいたが、ここまで社会のあり方に影響を及ぼすとは想像していなかった。
謙虚さを学ぶ──「YCAMオープンラボ2020:続・ナマモノのあつかいかた」
[2020年09月15日号(吉﨑和彦)]
11月の開催に向けて準備を進めていたホー・ツーニェンの展覧会が、来年4月に延期となった。本展では新作を発表する予定だが、コロナ禍により国外との往来が制限され、滞在制作や展示のために作家が来日する見通しが立たなくなったことが主な理由で、延期と...
アートを摂取すること──「猪熊弦一郎展 アートはバイタミン」
[2020年09月15日号(橘美貴)]
リオープンをした丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(以下、MIMOCA)で、「 猪熊弦一郎展 アートはバイタミン 」が開催されている(2020年9月22日まで)。 戦後日本美術における猪熊弦一郎の存在は大きなものだが、出身地である香川では特に重要作...
「プランB」ではないオンラインイヴェントの可能性──新型コロナウイルス流行下の試みから
[2020年09月15日号(町村悠香)]
都内にある多くの美術館と同様に、筆者の勤務する 町田市立国際版画美術館 は、新型コロナウイルスの影響で3月末から6月初めにかけて臨時休館を余儀なくされた。当初4月から6月にかけて開催される予定で、 前回記事 でも紹介した担当展「 インプリン...
複層性をもつ文脈と想像力──テキスタイル・プランナー 新井淳一の仕事/廣瀬智央 地球はレモンのように青い
[2020年09月01日号(住友文彦)]
異なる素材を用いて織られた布との対峙、あるいは長期間にわたるプロジェクトを通して、その背景にある文化と歴史の複雑な文脈、そしてそれを掬い出す作家の知性にはっとさせられることがある。大川美術館「 テキスタイル・プランナー 新井淳一の仕事 」と...
光の無限軌道を描く──「久門剛史 ─ らせんの練習」
[2020年08月01日号(中井康之)]
前回の学芸員レポートを記した2020年4月初めには、ここまで激甚ともいえる社会的な変化が起こるとは想像していなかった。その1ヶ月後の5月初め、厚生労働省から「新しい生活様式」の実践例が公表された。それは要するに、個々人は、身体的距離の確保、...
状況のゆらぎと対峙する──「ミナト・ノート」と「バッドタイミング」/「グッドタイミング」
[2020年08月01日号(吉田有里)]
2月後半から愛知県でも新型コロナウイルスの感染者・死亡者が増加し、感染防止のため港まちポットラックビルで開催予定のワークショップやイベントは延期・中止することとなった。 今回は、この数カ月の間のコロナ禍下での取り組みとしてMAT, Nago...