artscapeレビュー
佐竹龍蔵展「ちいさなものたち」
2016年07月01日号
会期:2016/06/18~2016/07/09
YOD Gallery[大阪府]
イノセントな瞳でこちらを見つめる少年少女像で知られる佐竹龍蔵。その作品をよく見ると、輪郭線は一切なく、すべてが薄く溶いた岩絵具を平筆で置いた小さな四角形の集合体、つまり点描画であることに気付く。絵画は光の集積にほかならない。その事実に改めて気づかされた。さて今回、佐竹が描いたのは、龍、風神、雷神、河童、しばてん(彼の故郷、高知県の妖怪)の4点である。なぜ聖獣や妖怪なのか、最初はその意図をつかみかねた。しかし少年少女を、性を超越した存在と考えれば合点がいく。彼が一貫して追求していたのは、スピリチュアルな、あるいは形而上的な存在なのか。それゆえ点描画なのか。次に彼に会った時、その辺りを詳しく訊ねたい。
2016/06/18(土)(小吹隆文)