artscapeレビュー
村田真のレビュー/プレビュー
吉田暁子「視/夜(しや)意義黎明」
会期:2009/03/25~2009/04/18
東京画廊[東京都]
古屏風や蛍光色のビニールに、これまでになくハデな原色で描いている。他人の絵だろうが壁の汚れだろうがなんでもいいのだが、なにかをきっかけに吉田はイメージを紡ぎ出していく。ちょうどグラフィティのように。だから作品にならないほうがおもしろいかもしれない。
2009/04/16(木)(村田真)
椿会展2009
会期:2009/04/07~2009/06/21
資生堂ギャラリー[東京都]
地下のギャラリーへ降りるとき、「こんなところに手すりあったっけなあ」と思ったら祐成政徳の彫刻だった。メインギャラリーには伊庭靖子と丸山直文の対照的な絵画が並び、奥のギャラリーには塩田千春が古いミシンの周囲にびっしりと毛糸を張り巡らせている。見事に棲み分けられていて、さびしいほど。もっとケンカしてほしいなあ。
2009/04/16(木)(村田真)
増山麗奈展「ネオ春画~イシュタル原理主義�・」
会期:2009/04/13~2009/04/25
ギャラリー銀座芸術研究所[東京都]
イシュタルは「性愛の神」「聖なる娼婦」とも呼ばれた古代バビロニアの女神だそうだ。そのイシュタルにみずからを重ね合わせた増山による手製の紙に描いた性の絵巻シリーズ。ハタから見るとデタラメやってるようでも、本人としてはちゃんと筋が通っているのだ。
2009/04/16(木)(村田真)
陳宛伶「小宇宙」
会期:2009/04/12~2009/04/19
BankARTスタジオNYK[神奈川県]
台北市と横浜市とのアーティスト交流プログラムで滞在していた陳さんの成果発表。人々の歩いてる姿を小さく俯瞰でとらえたデジタルイメージなのだが、道路や横断歩道の白線が画面に水平になるよう処理してあるため、座標上に人間が配置されているような、あるいは五線譜上に置かれた音符のようなイメージだ。陳さんは「毎日車で通勤していた経験」から「時間の変化と空間の移動」について考えるようになり、こういう作品を始めたと述べている。
2009/04/14(火)(村田真)