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五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

SUPPOSE DESIGN OFFICE

[広島県]

谷尻誠の事務所を見学する。元は店舗だった1階は現在、駐車場になっており、ビルの2階はオフィス、3階はトークイベントを行なう会場にリノベーションしている。所長本人は不在だったが、彼のスピリットが所員や空間の隅々にまで行き渡っていた。

2017/09/06(水)(五十嵐太郎)

GLOBAL NEW ART タグチ・アートコレクションのエッセンス展

会期:2017/08/25~2017/11/12

ウッドワン美術館[広島県]

学芸員の案内により、ウッドワン美術館の「GLOBAL NEW ART タグチ・アートコレクションのエッセンス」展を見る。アメリカのポップアートに始まり、トーマス・ルフ、オノ・ヨーコ、会田誠の大作「灰色の山」など、テーマごとにさまざまな現代美術を紹介する。大型の絵画が多いように思われた。一方、新館はガレやマイセン磁器などを展示しており、がらっと雰囲気が変わる。

2017/09/06(水)(五十嵐太郎)

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第10回ヒロシマ賞受賞記念 モナ・ハトゥム展

会期:2017/07/29~2017/10/15

広島市現代美術館[広島県]

個人的に第10回ヒロシマ賞の審査に関わったこともあり、広島市現代美術館のモナ・ハトゥムの受賞記念展に足を運んだ。今回は作家の希望により、クセがない方の常設エリアを展示場に選んだらしい(もともと美術館のオープン当初は、こちらが企画展のエリアだったが)。ともあれ、日本初の個展である。何もない身ひとつの状況で、イギリスで暮らすことになったため、最初は身体パフォーマンスから始まり、やがて日用品、紙や髪など、些細なものを素材とする作品制作を行なうようになった軌跡は、ほかの女性作家にも共通するかもしれない。あえて巨大スペクタクル化しない、痛みの作品の系譜をたどれる展覧会だった。

2017/09/06(水)(五十嵐太郎)

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《鞆の津ミュージアム》

[広島県]

竹原義二の設計により、蔵をリノベーションした《鞆の津ミュージアム》を学芸員に案内していただく。猪苗代の蔵を改造したアール・ブリュットの《はじまりの美術館》も彼が手がけ、入れ子状に部屋を挿入する手法は同じだが、鞆の津の方がダイナミックであり、2階がない分、天井も高い。外観は基本的に昔の状態を保存しており、すぐに美術館だとはわからない。なお、入口には手づくりの精巧なガンダムの巨大模型が置かれていた。

2017/09/05(火)(五十嵐太郎)

《ここち Comfort Gallery 器》

[広島県]

前田圭介が増改築を行なった《Gallery 器》を見学する。もともとは店舗だったが、木の箱形の外観を与え、構造に由来する木のフレームを内外で反復することによって、イメージを刷新する。内部の奥側半分は、彼の作品ピーナッツでも見た湾曲する空間とコアを設けつつ、手前半分はガラスを開けると、全面的に外部とつながる。内外を連続させる空間が前田の醍醐味だろう。また2階は、隣の住宅との接続も可能になっていた。

2017/09/05(火)(五十嵐太郎)