artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
5Rooms ─ 感覚を開く5つの個展
会期:2016/12/19~2017/01/21
神奈川県民ホールギャラリー[神奈川県]
5人の作家による個展形式で、最初の3名は工芸的、そして後半の2名は写真と巨大なインスタレーションである。シルクスクリーンで100回もインクを擦り重ねた極小のドット・ランドスケープをつくる小野耕石、大空間で闇の中の難破船のような世界を提示した丸山純子が印象に残った。
写真:上から、小野耕石、丸山純子
2017/01/05(木)(五十嵐太郎)
篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN
会期:2017/01/04~2017/02/28
横浜美術館[神奈川県]
初日ということで、本人の笑える作品解説のトークもあり、予想以上に面白かった。鬼籍に入った著名人、スター、スペクタクル、身体、そして3.11で被災した一般人の写真を、美術館という場を利用し、超巨大プリントで体感させる。なるほど、メディアと時代を意識した写真家である。
2017/01/04(水)(五十嵐太郎)
帰ってきたヒトラー
映画館で見逃した『帰ってきたヒトラー』。現代に蘇ったヒトラーがメディアと結託し、モノマネ芸人としてウケていく。最初は笑えるが、現在の外人排斥の風潮とシンクロし、途中から怖くなる。ヒトラーを殺しても、彼はわれわれのなかにいる。敵をつくり、恐怖を煽る革命的な政治家に注意しろというメッセージは、いままさに重要だろう。
2017/01/02(月)(五十嵐太郎)
マダム・フローレンス! 夢見るふたり
台湾から帰る飛行機で『マダム・フローレンス』を見る。プロットだけなら金の力でセレブの婦人が、伝統の劇場で下手な歌を聴かせるひどい(実)話だが、巧いとは別の、音を楽しむとは何かを考えさせられる作品だった。そして、本当は歌えるメリル・ストリープが絶妙な音痴を演じる技量に感心させられる。ヒュー・グラントの演技もさすがだ。
2017/01/02(月)(五十嵐太郎)
紅楼餐庁、多田榮吉故居ほか
[台湾、新北市淡水]
初の淡水へ。元旦で日曜のせいか、海沿いは異常なほどの人混みだったが、歴史建築のエリアはそうでもなかった。レストランになった《紅楼》、日本家屋の《多田榮吉邸》、そしてふれこみどおりに、夕日が美しく差し込む小白宮、真理大学の巨大教会、観光客がひっきりなしに記念写真を撮る絶好のポイントになっている《旧英国領事館》、17世紀にスペイン人が建てた《紅毛城》などをめぐる。
写真:左=上から、淡水、《紅楼》《多田榮吉邸》《小白宮》 右=上から、真理大学の巨大教会、《旧英国領事館》《紅毛城》
2017/01/01(日)(五十嵐太郎)