artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
マギーズ東京
[東京都]
オープンしたばかりのマギーズ東京へ。建築批評家のチャールズ・ジェンクスの妻ががんを体験したことから始まった精神ケアの施設で、建築にこだわり、ジェンクス、ザハ・ハディド、OMA、フランク・ゲーリー、黒川紀章らもイギリスでデザインを手がけたものが、日本で初登場した。阿部勤がコーディネイトした本館と、日建設計の勝矢武之らによる実験的な木造ギャラリーも新木場から移設して、連結させる。現場で知ったのだが、家らしさをもつマギーズ東京は豊洲市場の真向かいだった。なるほど、完成したこの巨大施設を使わないとしたら、究極のもったいない、である。TBSの豊洲新劇場は自業自得の感はあるが、もし風評被害でマギーズ東京の活動にも悪影響が出るなら、ひど過ぎる。
写真:左列=マギーズ東京 右列=豊洲市場
2016/12/18(日)(五十嵐太郎)
第2回南相馬ワークショップ
会期:2016/12/16
南相馬市集会所[宮城県]
塔と壁画のある集会所の南相馬の仮設住宅地にて、ワークショップを開催した。巨大な壁画を描いた彦坂尚嘉を迎え、その思いを語ってもらう。またあらかじめ住民に使い捨てカメラ「写ルンです」を配布し、暮らしの風景を撮影してもらい、糸崎公朗によるフォトモのワークショップを行なう。それぞれの風景が立体化され、住民の記憶に刻まれた。なお、ここはすでに前の週に自治組織の解散式を終えたが、まだ暮らす人は残り、建物は使われる。
2016/12/16(金)(五十嵐太郎)
畠山直哉 写真展 まっぷたつの風景
会期:2016/11/03~2017/01/08
せんだいメディアテーク[宮城県]
前半は作品の軌跡を再構成、後半は陸前高田を時系列で。ほとんどの作品はすでに見ているので、どう配列するかに興味。最大の横幅をとって、チューブ列で会場を前後2分割。空間をうまく生かす。後半で海の水平線写真のみ日時の記載がない。これだけ奥尻だった
2016/12/15(木)(五十嵐太郎)
こどもアートひろば展覧会「アッペトッペ=オガル・カタカナシ記念公園」
会期:2016/12/15~2016/12/26
地下鉄東西線 国際センター駅 青葉の風テラス[宮城県]
仙台アートノードの皮切りとなるプロジェクト、KOSUGE1-16「アッペトッペ=オガル・カタカナシ記念公園」@国際センター駅2階。文学館と共同しつつ、童話詩人スズキヘキと郷土研究家の天江富弥の仙台での活動を発掘し、子どもが遊ぶ広場を創出。カタカナ詩がそのまま円環構造となり立体空間化!
2016/12/15(木)(五十嵐太郎)
高山登展「漂う遊殺」
会期:2016/12/01~2016/12/17
Gallery TURNAROUND[宮城県]
高山登「漂う遊殺」展@仙台のギャラリーターンアラウンド。見慣れた展示室の全体がシートに覆われ、異空間に変容していた。そこに高山作品でおなじみの枕木と、壊れた椅子が置かれている。否応なく3.11を想起させる作品だった。
2016/12/14(水)(五十嵐太郎)