artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
バイオハザード:ザ・ファイナル
同シリーズもおつきあいで、なんとなくすべて劇場で見てきた。もっとも、回を重ねるごとに生まれる物語の深みはまったく期待しておらず、ゲーム的なアクションだけを楽しみにしていたのに、夜や地下の戦闘が続くために、画面が暗く、しかも動きが速いために、何が起きているのかが、あまりにわかりにくい。ゾンビの大群に追われながら路上を走る乗り物で戦いが起きる前半のマッドマックス的シーンはよいのだが。さらに視界が暗くなる3Dメガネでの鑑賞は絶対にオススメしない。
2016/12/23(金)(五十嵐太郎)
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
エピソード3.9と言うべき『ローグワン』。前半の展開はやや退屈で、だれると聞いたが、個人的には現代社会のテロと重なって見え、後半の宇宙戦争感満載との対比は、むしろ好印象だった。今回は特に超人不在ゆえに、反乱同盟軍の普通の人々による物語が重なり、シリーズに深みを与えた。終盤はビーチでの、『さらば宇宙戦艦ヤマト』的な玉砕戦となり、多くの犠牲の上に最後の希望を打倒帝国の未来につなぐ。
2016/12/23(金)(五十嵐太郎)
震災と暮らし ─震災遺産と人びとの記録からふりかえる─
会期:2016/12/20~2016/12/25
東京や海外にとって3.11は、やはりフクシマの原発事故のイメージが強いが、近くの被災地であり、津波被害が大きかった仙台では、これまで逆にあまり表出されなかった。この企画はふくしま震災遺産保全プロジェクトと連携し、全面的に福島の状況とその後を紹介している。写真、映像、壊れた被災物、デジタルのデータ、言葉、アート作品など、さまざまな手法であの出来事を伝承しようと試みる様子からは、すでに忘却されかねない危機意識も感じられた。これらの展示は、いずれつくられる3.11記念館の常設になるのだろう。
2016/12/22(木)(五十嵐太郎)
フォトモ作品展
会期:2016/12/14~2016/12/24
東京宝くじドリーム館[東京都]
東京宝くじドリーム館で開催されている糸崎公朗のフォトモ作品展へ。つくり方のノウハウを体験してから見ると、また違って見える。ここの宝くじの歴史展示も興味深い。日本では天保の改革以来、長く禁止されていた宝くじが、1945年に戦費調達のために再開したものの、すぐに敗戦。今度は復興宝くじや、焼け跡の住宅難を踏まえて、一戸建てが当たるくじが出現したという。
2016/12/21(水)(五十嵐太郎)
「新しい建築の楽しさ2016」展
会期:2016/11/08~2017/03/04
バンバタカユキの会場デザインが軽やかに模型が宙に浮くような雰囲気、そして外の風景も混ざっていくような効果を巧みに生み出す。今回は6組の若手建築家が出品しているが、リノベーションの多さに時代を感じる。山岸綾によるあいちトリエンナーレ2016の豊橋会場、神本豊秋の品川ビル再生計画などである。
写真:上から、バンバタカユキの会場デザイン、山岸綾によるあいちトリエンナーレ2016の豊橋会場、神本豊秋の品川ビル再生計画
2016/12/21(水)(五十嵐太郎)