artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
ミュージカル「わたしは真悟」
会期:2017/01/08~2017/01/26
新国立劇場[東京都]
楳図かずおの原作だが、なんでも舞台化できるものだなと感心する。効果的な音と人形つかいによって、意識をもった産業用ロボットのマシン的な動きも違和感なく、人工生命が注入された。なんで、ミュージカル? とも思ったが、「333から~」の歌のフレーズは印象に残った。また、ダンスの振り付けにも、枠組みが与えられた。
2017/01/18(水)(五十嵐太郎)
上映+トーク「土の家ヤオトンを造る」
会期:2017/01/16
ATELIER MUJI[東京都]
無印の窓花展に関連して、エロディー・ブロッソー監督『ヤオトン造りの小さな取り決め』の上映+トーク with 丹羽朋子+下中菜穂。建設の前後に風水師や土地神の儀式があり、新年の窓花装飾と同様、家が暮らし/世界とともにある文化人類学的な視点が興味深い。一方で、この映像は土を掘り込むのではない、石壁タイプのヤオトンを紹介するが、ヴォールト架けの過程が少し欠けていたのは残念で、建築側からすると、とても見たい場面だった。
2017/01/16(月)(五十嵐太郎)
「新しい建築の楽しさ2016」展
会期:2017/01/10~2017/03/04
AGC studio[東京都]
「新しい建築の楽しさ2016」の後期展示@AGC STUDIO。前期はリノベーションが中心だったが、今度は新築のプロジェクトをピックアップする。大西麻貴+百田有希の楽しそうな図書館、山崎健太郎の長~い縁側、伊藤立平の木を集積した建築など。バンバタカユキがデザインした模型台は、ドアが開いて風が吹き込むだけでゆらゆらする。
写真:上から、大西麻貴+百田有希、山崎健太郎、伊藤立平
2017/01/14(土)(五十嵐太郎)
アートや文化の今を聞くTALK かないみき「ベルリン、そしてヨーロッパの現場から─芸術と社会の相関関係」
Galerie ITSUKI[宮城県]
仙台のアートノードの関連トーク、ギャラリーイツキにて、美術ジャーナリストのかないみきが語る。第一部はベルリンの現状のほか、自邸開放、映画館使用、格安アートレンタルなど、商業ギャラリーとは違う、さまざまなオルタナティヴなギャラリーの活動を紹介する。そして、第二部は、昨年チューリッヒで開催したマニフェスタの報告だった。作家が非作家と共同する形式をテーマとし、特に糞尿を固めた巨大彫刻が強烈である。
2017/01/13(金)(五十嵐太郎)
ドント・ブリーズ
サム・ライミ製作の映画『ドント・ブリーズ』。荒廃したデトロイトを背景に、とにかく無駄がないのがよい。映画として映える3人の悪者と盲目の物語は、『暗くなるまで待って』でも有名な設定だが、部屋にいるのが美人女優ではなく、戦争帰りのイカれた猛者老人ゆえに、家に閉じ込められた立場逆転スリラーになる。
2017/01/11(水)(五十嵐太郎)