artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
TOKYOHEAD~トウキョウヘッド~
会期:2015/03/18~2015/03/23
東京グローブ座[東京都]
グローブ座で、『TOKYOHEAD~トウキョウヘッド~』を観劇する。モーションキャプチャー技術を応用し、俳優の動きがその場でCG化される、リアルタイムCG再生システムを見たかったからだ。確かに、このテクノロジーは、ゲームのバーチャファイターを素材にした演劇に向くが、肝心の技を使う部分はわずかで、むしろそれ以外が面白い。例えば、『TOKYOHEAD』の俳優たちがバーチャファイターで対戦する場面は、あらかじめ録画した戦いの映像を大きなスクリーンに映すものだと思いきや、ガチで舞台のうえでやっていた。またドキュメントをもとにしているだけに、ノンフィクションの度合いが想像以上に多いことも、現実と仮想の境界を揺るがす。
2015/03/20(金)(五十嵐太郎)
東京都新宿区西戸山
[東京都]
久しぶりに、西戸山の集合住宅と東京グローブ座の付近を歩く。磯崎新が設計に関与し、バロック広場、ルネサンス広場、円形劇場など、歴史的な形態言語の数々を用いている。学生の頃、流行ったデザインなので懐かしくなる。
2015/03/20(金)(五十嵐太郎)
イミテーション・ゲーム──エニグマと天才数学者の秘密
帰りの飛行機で見た映画「イミテーションゲーム」が面白い。少年時代、ナチス・ドイツの暗号エニグマの解読プロジェクト、戦後の自殺前の事件という3つの時間を行き来しながら、数学者アラン・チューリングの生涯を描く。現在われわれが使っているコンピュータの基礎につながる、でかいマシーンの造形がカッコいい。
2015/03/17(火)(五十嵐太郎)
《剣潭駅》
[台湾台北市]
ど派手な造形の《剣潭駅》へ。この駅前に現在、OMAによる《台北パフォーミングアーツセンター》を建設中である。5年前くらいに台湾で、巨大な球体が印象的なコンペ案の模型展示を見たが、骨組みはもうほぼ出来上がり、全体のヴォリューム感がわかる。OMAらしいアイコン性に富む。台中はオペラハウス、高雄はメカノのプロジェクトがあり、都市間競争が各地で個性的な建築を生み出している。
写真:上=《剣潭駅》 下=建設中の《台北パフォーミングアーツセンター》
2015/03/17(火)(五十嵐太郎)
《台湾大学社会科学部棟》
[台湾台北市]
《台湾大学社会科学部棟》も、伊東豊雄が設計しており、改めて台湾における彼の人気の高さがうかがわれる。特に巨大な校舎に付属する図書館の空間が素晴らしい。白い蓮の葉状の単位が不規則に並び、その隙間から光が漏れ、藤江和子の家具が迷宮のように絡む。伊東の《多摩美図書館》、石上純也の《KAIT工房》、フランク・ロイド・ライトの《ジョンソン・ワックス社》などの前例を統合しつつ、前進させたデザインだろう。
2015/03/17(火)(五十嵐太郎)