artscapeレビュー
美術に関するレビュー/プレビュー
森村泰昌 新作展「絵写真+The KIMONO」

会期:2011/12/28~2012/01/10
大阪高島屋 6階ギャラリーネクスト[大阪府]
今年で創業180周年を迎える高島屋からのオファーによる本展。昨年夏に東京で開催済みなので、ご覧になった方も多いだろう。森村は、北野恒富が描き、昭和4年に高島屋のポスターとして採用された《婦人図》をモチーフにした新作6点と、彼が1980年代に制作した構成主義風の版画、その版画をモチーフにした着物などを出品した。また作品中の着物のなかには小磯良平や竹内栖鳳の絵画から引用されたものもあった。かつて大阪画壇で活躍した北野と、現在の大阪を拠点とする森村がクロスオーバーし、小磯と竹内を絡めることで京阪神という横櫛も通されている。ひとつの作品のなかに重層的に意味を込めるのが得意な森村らしい個展であった。
2011/12/28(水)(小吹隆文)
モニーク・フリードマン展

会期:2011/11/23~2012/03/20
金沢21世紀美術館[石川県]
同時開催の企画展とはいえ、「押忍!手芸部」とは打って変わってこちらはフランスの女性作家による絵画展。麻布、綿布、紙などさまざまな支持体を使い、70年代のシュポール/シュルファスをちょっと思い出させる。あえて手芸部との共通点を探せば、どちらも繊維を用いてることかな。織物=ウェブは視覚芸術の基礎だ。コジツケですが。
2011/12/28(水)(村田真)
ピーター・マクドナルド:訪問者
会期:2011/04/16~2012/03/20
金沢21世紀美術館[石川県]
長期インスタレーションルームと展示室13のふたつのギャラリーを使った長期的プロジェクト。展示室13のほうでは壁4面に描いた壮大な壁画を公開し、無料ゾーンの長期インスタレーションルームでは大小40点ほどのタブローを展示している。市民と交流しながら制作したらしいが、色づかいといい筆づかいといい、いまどきのポップな感覚のなかにもメタ絵画意識がかいま見えて、なかなか見ごたえがある。
2011/12/28(水)(村田真)
サイレント・エコー──コレクション展II
会期:2011/09/17~2012/04/08
金沢21世紀美術館[石川県]
太平洋側の魚は安心して食べさせられないという子ども思いの妻の提案で、日本海側の魚を求めて(もちろんそれだけの理由だけではないが)金沢へ。2、3日前からの大雪で市内は銀世界、息子は大喜びだがおとーさんのムスコはオフクロとともに縮こまってる。まずは21世紀美術館へ。最初に入った展覧会は、アニッシュ・カプーアやツェ・スーメイに加え、グラフィックデザイナーの粟津潔、具体メンバーの山崎つる子らが出品。なんか脈絡のない人選で方向性の見えない展覧会だなあと思ったら、コレクション展だった。久世建二や角永和夫ら地元作家も着々とコレクションに加えておるな。
2011/12/28(水)(村田真)
押忍!手芸部と豊嶋秀樹『自画大絶賛(仮)』

会期:2011/11/23~2012/03/20
金沢21世紀美術館[石川県]
タイトルを見ただけではどんな展覧会か想像もつかないが、でも実際に見てみるとタイトルどおりとしかいいようのない展覧会。「押忍!手芸部」は手芸部長の石澤彰一が手芸経験のない「男前部員」7人と結成した部活動で、その成果を豊嶋秀樹が展覧会に組み立てていく。いろいろ遊びもあって楽しいといえば楽しいのかもしれないが、手芸には興味のないおじさんには「こんなもの美術館で見せられてもなあ」だ。
2011/12/28(水)(村田真)


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