2017年06月15日号
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artscapeレビュー

やなぎみわ演劇プロジェクト第二部「1924 海戦」

2011年12月15日号

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会期:2011/11/03~2011/11/06

神奈川芸術劇場大スタジオ[神奈川県]

アートかと思ったらちゃんとした演劇だった。いや、そのうえアートにもなっていたから恐れ入る。いうまでもなく最初の「アート」はワケのわからないパフォーマンスを意味し、後の「アート」は感動を呼ぶ芸術を指す。つまり、とてもおもしろかったのだ。話は、関東大震災後に設立された築地小劇場をめぐるもの。大きな災害を前にして前衛芸術など必要とされるのか? この問いがテーマだとすれば、もちろんそれは3.11後の現代アートにもはね返ってくる。というより、3.11後のアーティストの苦悩が築地小劇場を召還したというべきか。やなぎは原案・演出・舞台美術を担ったというが、彼女の初期作品に登場する赤い制服のエレベーターガールを除けば、劇中やなぎらしい要素がほとんど登場しなかったのは意外。それより、演劇と美術、大正と現代、前衛と大衆の接点が提案され、まことに刺激的な舞台になっていた。

2011/11/06(日)(村田真)

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