2018年10月15日号
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artscapeレビュー

始皇帝と大兵馬俑

2016年08月01日号

会期:2016/07/05~2016/10/02

国立国際美術館[大阪府]

紀元前221年に中国を初めて統一した秦王朝の皇帝、始皇帝に関わる資料約120点余りを一堂に展覧している。見どころは日本初公開品を含む兵馬俑8体および軍馬の展示。西安市に出土した「兵馬俑」は、陶製の秦軍約8千体(平均身長180cm)からなり、ひとつとして同じ顔の物がないため、実物モデルに倣ったとされる。そのとおり、本展で見られる将軍・騎兵・軍使・歩兵・御者・立射・跪射など様々な俑は、どれも違う顔立ちと体形をしていることがわかる。そのうち印象深いのは、最も出土数が少なく10体しかない将軍俑。兵士とは異なる鎧と 冠を身に付けた装飾的な着衣は位の高い武将を表し、顔の造作表現にも品位の高さが窺える。当時の写実的表現の粋をまざまざと感じさせる。兵馬俑が作られた時には豪華な彩色がされていたので、本展ではその再現映像も見ることができる。非常にカラフルな着衣とその文様の装飾性の豊かさにはびっくりしてしまう。1970年代から現在に及ぶ陵墓発掘の、最新の考古学と科学研究の成果を踏まえ、秦の台頭から終焉に至る激動の歴史をたどる、ロマンあふれる展覧会。[竹内有子]

2016/07/17(日)(SYNK)

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