2018年01月15日号
次回2月1日更新予定

artscapeレビュー

建築に関するレビュー/プレビュー

クラクフ織物会館ほか

[ポーランド、クラクフ]

クラクフに到着すると、駅の横がショッピングモールになっているのはワルシャワと同じだが、中心部に残る古建築は復元でなく、本物のオリジナルが残った素晴らしい街並みだ。異なる歴史の層がアンサンブルをつくる広場のスケール感もよい。現在は乱造気味の世界遺産だが、1970年代にいち早く登録されたのもうなずける。広場の中心にある織物会館の1階は、みやげ物のお店が両側に一直線に並ぶアーケードである。その地下にある博物館は、近年の発掘成果を踏まえた、まさにこの場所の歴史を展示する施設になっており、デザインも力を入れた充実した内容だった。また3階は19世紀のポーランド絵を紹介する美術館だが、ここには展示していないダ・ヴィンチの「白貂を抱く貴婦人」の絵はがきや書籍がショップに大量にあるのはちょっとずるいと思う。

写真:1段目=クラクフ駅横のショッピングモール(左)クラクフの模型(右)、2段目=織物会館外観、3段目=織物会館1階アーケード(左)3階の美術館(右)、4段目=地下の博物館

2017/09/13(水)(五十嵐太郎)

ワルシャワの街並み

[ポーランド、ワルシャワ]

初のポーランド入りで、ワルシャワを訪れた。建築的には、以下が印象に残った。第一に、20世紀半ばのモダニズムがよく残っていること。第二に、ドイツに破壊された古建築の再生は半端ない規模で行なわれていたこと。第三に現代的なアイコン建築による高層ビルが、ここにも進出していること。となると、もはや世界規模の現象であり、日本だけがそれを嫌う傾向が突出しているのかもしれない。そして第四に、それでもスターリン様式による巨大な文化科学宮殿が目立つことである。これも一種のアイコン建築なのだ。

写真=上からワルシャワのアイコン的高層ビル、ワルシャワ駅横のショッピングモール、《文化科学宮殿》

2017/09/12(火)(五十嵐太郎)

SUPPOSE DESIGN OFFICE

[広島県]

谷尻誠の事務所を見学する。元は店舗だった1階は現在、駐車場になっており、ビルの2階はオフィス、3階はトークイベントを行なう会場にリノベーションしている。所長本人は不在だったが、彼のスピリットが所員や空間の隅々にまで行き渡っていた。

2017/09/06(水)(五十嵐太郎)

《鞆の津ミュージアム》

[広島県]

竹原義二の設計により、蔵をリノベーションした《鞆の津ミュージアム》を学芸員に案内していただく。猪苗代の蔵を改造したアール・ブリュットの《はじまりの美術館》も彼が手がけ、入れ子状に部屋を挿入する手法は同じだが、鞆の津の方がダイナミックであり、2階がない分、天井も高い。外観は基本的に昔の状態を保存しており、すぐに美術館だとはわからない。なお、入口には手づくりの精巧なガンダムの巨大模型が置かれていた。

2017/09/05(火)(五十嵐太郎)

《ここち Comfort Gallery 器》

[広島県]

前田圭介が増改築を行なった《Gallery 器》を見学する。もともとは店舗だったが、木の箱形の外観を与え、構造に由来する木のフレームを内外で反復することによって、イメージを刷新する。内部の奥側半分は、彼の作品ピーナッツでも見た湾曲する空間とコアを設けつつ、手前半分はガラスを開けると、全面的に外部とつながる。内外を連続させる空間が前田の醍醐味だろう。また2階は、隣の住宅との接続も可能になっていた。

2017/09/05(火)(五十嵐太郎)

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