2017年11月15日号
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artscapeレビュー

2010年01月15日号のレビュー/プレビュー

日常/場違い

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会期:2009/12/16~2010/01/23

神奈川県民ホールギャラリー[神奈川県]

木村太陽、佐藤恵子、久保田弘成、藤堂良堂、雨宮庸介、泉太郎の6人展。経歴を見ると、雨宮と泉以外は海外経験が豊富だが、海外経験の有無と作品の良し悪しはあまり関係ないということがよくわかる。つーか、今回の場合あきらかに反比例している。とりわけサイトスペシフィックなビデオ・インスタレーションという離れ業が見事に決まった泉太郎はブッちぎりの金メダルだ。

2009/12/28(月)(村田真)

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Google Wave

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実はまだ十分理解出きていないのであるが、せっかくわりと早い段階で招待状を頂いたので、現段階での理解を書いておきたい。使ってみたのは2009年秋以降に10万人に招待されたというプレビュー版であり、今後内容が変わっていく可能性はいくらでもあるだろうことをまず断っておきたい。基本的にはメールを進化させた新しいコミュニケーションツールであり、「未来の電子メール」と位置づけられるらしい。メールとチャットという、同期/非同期のコミュニケーションが共存し、また画像、動画、さまざまなガジェットなどを、任意の複数人で共有できる。Gmail+Google トーク+Googleドキュメントの一部を足しあわせたようなツールだと言えるだろう。使ってみた第一印象は、よく言われているように確かに複雑で分かりにくい感じはある。会話の構造がツリー上に展開していき、参加者がどこでも編集可能であるので、話の展開が見えにくい可能性はある。目的と使用方法が分からないと、多くの人は戸惑いを覚えるかもしれない。しかし、現在までに発展してきた多様なコミュニケーションシステムが統合される可能性に期待したい。リアルタイムのコミュニケーションは確かにそのとおりで、一文字書くと、未確定の変換候補すら相手に見えるくらいである。各種のガジェットでさまざまな拡張ができ、まだ入手できないが、Rosyという40ヶ国語の翻訳ガジェットは、例えば英語で書いたテキストをリアルタイムでフランス語に翻訳できる。言語を気にせずチャットが出来る環境が近づいているともいえよう。Google Waveの可能性は、まだ今ひとつつかみきれていないが、誰と、何を、いつ共有してコミュニケーションやコラボレーションをするかという選択肢が、ごくごく自然に思ったとおりにできるようになるのではないかと思っている。

URL:http://wave.google.com/

2009/12/29(火)(松田達)

隈研吾建築都市設計事務所『スタディーズ・イン・オーガニック』

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発行所:TOTO出版

発行日:2009年10月15日

大量のスタディ模型を並べたギャラリー間の隈研吾展にあわせて刊行されたカタログ的な本である。21世紀に入り、彼は驚くべき勢いで、海外で数多くのプロジェクトを手がけ、事務所のスタッフも急増した。本書では、建築の姿を消していく「コンター」、建築を構成する粒子を操作していく「テクスチャー」、生命体のような形態に向かう「オーガニゼイション」という3つのキーワードによって、近作を分類している。旧作はもちろん、オープンしたばかりの根津美術館という最新作もなく、これからのプロジェクトを紹介しており、いまもっとも脂がのっている建築事務所であることを印象づけるだろう。そう、現在進行形なのだ。本書の冒頭には「消去から有機体へ」というバイリンガルの論文を寄せている。そして1980年代のポストモダンから現在までの活動を振り返りながら、新しい有機的建築が宣言されるのだ。生物のメタファーが語られるが、フランク・ロイド・ライトやメタボリズムとも違う。新しい生物観にたった有機的建築の再定義を試みようとしている。

2009/12/31(木)(五十嵐太郎)

「槇研の本」編集委員会『都市のあこがれ──東京大学槇文彦研究室のその後とこれから』

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発行所:鹿島出版会

発行日:2009年10月

東京大学における槇研究室の卒業生が、学んだことを現在の視点から振り返るエッセイを集めた本である。卒業生はさまざまな活動に関わっているが、やはり寄稿したOB、OGは、教員になっている人が多い! 全体としては、テーマごとに7章に分けているが、タイトルにも使われているように、「都市」のキーワードが多い。都市との対話から建築をデザインしていく姿勢がうかがえるだろう。『見えがくれする都市』への参照も目立ち、研究室のバイブルだったことがわかる。槇文彦は、1979年から89年まで教鞭をとっており、筆者もちょうどその最後の頃に学部生だったので、設計のエスキスを受けたことがある。また同書には、赤川貴雄、新堀学、本江正茂、鹿野正樹らの同級生が寄稿している。巻末には各年の論文タイトルの一覧もつく。

2009/12/31(木)(五十嵐太郎)

ロジャー・ディーン『ドラゴンズドリーム ロジャー・ディーン幻想画集』

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発行所:ブルース・インターアクションズ

発行日:2009年12月4日

まだ小さなサイズのCDではなかった時代、ASIAやYESのアルバムで穴があくほど見つめたジャケットのアートワークの数々。展覧会など開催しなくても、プログレのバンドを通じて、一度見たら忘れられない幻想的なランドスケープは広く知られるようになった。ロジャー・ディーンのドローイングは、いつも時空を超えた遠い世界を感じさせる。序章のテキストで初めて知ったのだが、彼は学生だった1967年に探求していた建築原理の本を書こうと考えたり、修士号では建築の研究をやっていたという。そしてコンピューター・ゲームの背景の建築画も手がけている。この画集の最後を飾るのは、第8章「建造物」だ。実際、彼はマレーシアの公園やトルコのディスコ、エコ・ヴィレッジやマウンテン・リゾート、ホテルや砂漠の教会などの仕事も依頼されている。これらのぐにゃぐにゃの有機的なデザインからは、1960年代の実験建築の影響を受けていることもうかがわれ、興味深い。

2009/12/31(木)(五十嵐太郎)

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