artscapeレビュー
村田真のレビュー/プレビュー
曽谷朝絵 展「鳴る色」
会期:2010/01/08~2010/01/31
資生堂ギャラリー[東京都]
正月返上で原稿カキカキ、ようやく入稿して銀座へ。曽谷さんの個展は、新進アーティストの活動をサポートする「シセイドウ アートエッグ」のひとつ。真っ白な壁と床に、色とりどりのカッティングシートを波紋状に切り抜いて貼りつけている。絵具をぶちまけたような色彩のインスタレーションだが、仕上げはとてもきれい。ZAIMで試みていた実験が実りましたね。タブローだけでなく、このような場所に応じたインスタレーションも身につけたか。
2010/01/12(火)(村田真)
日常/場違い
会期:2009/12/16~2010/01/23
神奈川県民ホールギャラリー[神奈川県]
木村太陽、佐藤恵子、久保田弘成、藤堂良堂、雨宮庸介、泉太郎の6人展。経歴を見ると、雨宮と泉以外は海外経験が豊富だが、海外経験の有無と作品の良し悪しはあまり関係ないということがよくわかる。つーか、今回の場合あきらかに反比例している。とりわけサイトスペシフィックなビデオ・インスタレーションという離れ業が見事に決まった泉太郎はブッちぎりの金メダルだ。
2009/12/28(月)(村田真)
オノ・ヨーコ「A HOLE」
会期:2009/12/05~2009/12/25
ギャラリー360°[東京都]
穴が空き、ひびの入ったガラス板が10数枚。銃弾を撃ち込んだものだ。ギャラリーの中央に、やはり穴とひび割れの入ったひときわ大きなガラス板が自立している。これを見てハタと思い出すのがマルセル・デュシャンの「大ガラス」だ。そういえば「大ガラス」は運搬中に偶然ひびが入ってしまったのだが、デュシャンはがっかりするどころか「これで完成した」と喜んだとか。これらのガラスの下方には「A HOLE GO TO THE OTHER SIDE OF THE GLASS AND SEE THROUGH THE HOLE(穴 ガラスの反対側に行き、穴を通して見ること)」と記されている。これを読んでハタと思い出すのが『鏡の国のアリス』(原題は"Through the Looking-Glass")だ。そういえばヨーコの友人だった東野芳明は著書『マルセル・デュシャン』の各章冒頭に、『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』からの引用文を掲げていたっけ。そういえばジョン・レノンもルイス・キャロル並のノンセンスな言葉遊びが好きだった。そしてハタと思いいたるのが、ジョン・レノンは銃弾に倒れたということ。この作品は迷宮のような連想ゲームにわれわれを誘う。
2009/12/24(木)(村田真)
explosion shirt 木村稔 白井美穂 高安真愉美
会期:2009/12/19~2010/01/31
explosion tokyo viewing room[東京都]
西麻布のエクスプロージョン・トウキョウという知らない場所で、知ってるアーティストが展覧会をやってるとの情報が。地図を見ると、何度も行ったことのある場所だった。息子を自転車に乗せてたずねてみると、旧知の小池美香ちゃんがお出迎え。展示はシャツやファブリックや非常口のほか、ボイスとシュナーベルの版画も。なんじゃこりゃあ。クリスマスイブイブなのでタダ飲みタダ食いして帰った。ごちそうさま。
2009/12/23(水)(村田真)
佐藤時啓
会期:2009/11/27~2009/12/22
ツァイト・フォト・サロン[東京都]
森のなかの1本の木のまわりに白い光がいくつも浮かび上がる写真。まるで木霊を写したかのようだが、もちろん手鏡で日光を反射させたもの。昔の作品かと思ったら、最近、白神山地と八甲田山で撮影した新作らしい。なんか懐かしい。
2009/12/22(火)(村田真)