artscapeレビュー

村田真のレビュー/プレビュー

孫遜 Sun Xun展

会期:2009/11/27~2009/12/09

ZAIMギャラリー[神奈川県]

横浜市・北京市アーティスト・イン・レジデンス交流事業で来日し、ヨコハマ国際映像祭にも参加した孫遜の個展。本のページに墨でドローイングを描き、それをつなげてアニメにしている。なにか政治的メッセージがこめられているのだろうか、人物は透明人間のように頭と手がなく(服だけ)、中国の地図が変形しつつ登場する。意味はわからなくてもなにか伝わってくる作品。

2009/11/27(金)(村田真)

東京コンテンポラリーアートフェア2009

会期:2009/11/21~2009/11/23

東京美術倶楽部[東京都]

現代美術系の画廊もそうでない老舗画廊も、商業画廊も貸し画廊も呉越同舟のアートフェア。といっても、いま述べた違いが出品作品からは判断しづらくなり、みんな似たり寄ったりになってきたような気がする。だから同舟できたんだろうが。こうしてなんでもかんでも現代美術化していくのか、むしろなしくずし的に現代美術が消滅しつつあるというべきかもしれない。

2009/11/23(月)(村田真)

わくわくJOBAN-KASHIWAプロジェクト

会期:2009/11/01~2009/11/29

TSCA、旧シネマサンシャイン[千葉県]

11月4日に急逝した渡辺好明さんのお別れ会が東京藝大取手校地であり、常磐線で帰りに柏に寄る。これは「アートラインかしわ2009」のメインプログラムで、アンテナ、岩井優、遠藤一郎、下西進、のびアニキ、水川千春ら約50組のアーティストが、映画館跡と倉庫を改装したギャラリーの2カ所を中心に作品を繰り広げている。映画館のガラス窓に外の風景をトレースした海野貴彦、壁に小さな山の彫刻を置き、数メートル向こうから望遠鏡でのぞく山下耕平らの作品に注目。せっかく柏まで来たんだからどこでも見られる作品ではなく、その場所ならではの空間特性を生かした作品に高得点をあげたい。取手アートプロジェクトをはじめ守谷、北千住などのアートプロジェクトにも関わり、秘かに「常磐オヤジ」と自嘲していた渡辺さん、見てますか。

2009/11/22(日)(村田真)

オラファー・エリアソン──あなたが出会うとき

会期:2009/11/21~2009/03/22

金沢21世紀美術館[石川県]

金沢21世紀美術館のユニークな展示空間を生かして、おもに光と色の原理を応用したインスタレーションを展開している。たとえば壁に幾何学形の穴をつくって鏡を埋め込み、万華鏡の原理で結晶のような正多面体を現出させたり、ガラス張りの狭い通路いっぱいに大きな扇風機をとりつけで回し、空気の流れを一方通行にしたり、赤から紫までの可視光のスペクトルを300枚の板に塗り分け、一列に並べてグラデーションをつくったり、といったように。ちょっとした工夫で見えないものを美しく顕在化させる手法は見事。昨晩のトークでは「ミステリーよりリアリティを重視する。リアリティはミステリーだが」とか「ここに100人いれば100の見方、考え方がある。『あなたが出会うとき』はそういう意味」と逆説を交えた理屈をこねていたが、理屈は不要、見ればわかる。

2009/11/20(金)(村田真)

皇室の名宝

会期:2009/11/12~2009/11/29(2期)

東京国立博物館[東京都]

応挙のついでに「皇室の名宝」を見た。2期は考古遺物や古筆、絵巻、名刀など辛気くさいものばかりなので、15分で出た。

2009/11/17(火)(村田真)