artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

「洸庭」名和晃平|SANDWICH 図録刊行記念対談

会期:2017/06/25

神勝寺 無明院[広島県]

名和晃平×五十嵐で『洸庭』図録刊行記念対談@神勝寺無明院。今回、対談を通じて新しく知った事実について記しておきたい。あいちトリエンナーレ2013における彼の作品《foam》(最近、PerfumeのCMで似たセットが使われているが)になる前の別プランが、じつは闇の中で床いっぱいに水をしくものだった。結局、納屋橋の会場では闇が十分でなく見送ったが、これが発展して《洸庭》につながった。そして、もうひとつ思い出したことがあった。彼がキリンアートアワード2003に入賞したとき、筆者は審査員でその受賞展の担当だったが、「PixCell」の展示で彼が空間にとてもこだわり、影がでない特別な白い部屋を設けたこと。つまり、作品を単体で考えず、いかなる環境で見せるかを最初から重視していたのである。それを突き詰めると、今回のプロジェクトのように、建築をまるごとつくることに発展するのは必然だろう。

2017/06/25(土)(五十嵐太郎)

村野藤吾の建築─世界平和記念聖堂を起点に

会期:2017/05/16~2017/07/09

広島市現代美術館[広島県]

(いまならスキャンダルになるであろう)コンペをしたものの結局、審査員が設計してしまった世界平和記念聖堂のドキュメントが面白い。村野のファサード案もいろいろダメ出しされていたのか。後半は、目黒などでも開催した模型展示だった。

2017/06/24(金)(五十嵐太郎)

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《広島平和記念資料館》

[広島県]

本館は改修工事中だが、東館は展示がリニューアルされている。パノラマ的な風景写真、原爆投下の前後やその瞬間を表現する円形の都市模型へのプロジェクション、インタラクティブな映像・情報検索のシステムなど。悪くないけど、すごく良いわけでない。文字が多すぎるかな。

2017/06/24(金)(五十嵐太郎)

《おりづるタワー》

[広島県]

三分一博志が関わった《おりづるタワー》へ。古いビルのリノベーションで、丘を登って世界遺産のエリアを見下ろす展望台、スロープ+滑り台+階段などの空間体験がユニーク。前者は屋外だけど、天井が張り出すことで通常と異なる場に。後者はぐるぐる歩いて降りるのが楽しい(滑る子どもや大人も多い)。

2017/06/24(金)(五十嵐太郎)

のっぴきならない遊動:黒宮菜菜/二藤建人/若木くるみ

会期:2017/05/25~2017/07/02

京都芸術センター[京都府]

二藤建人は期待を裏切らないダイナミックな作品で、室内いっぱいにインスタレーションを行なう。黒宮菜菜は揺れるようなドローイングである。そして髪を剃って顔を描く、本当に体をはった若木くるみのボディ・キャンバスと、和室にそのままペイントした部屋が衝撃的だった(そして頭部の後や横に、別の顔が出現するイメージは怖くもある)。

写真:左上から=黒宮菜菜、二藤建人 右2枚=若木くるみ

2017/06/23(金)(五十嵐太郎)

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