artscapeレビュー

震災と暮らし ─震災遺産と人びとの記録からふりかえる─

2017年01月15日号

会期:2016/12/20~2016/12/25

せんだいメディアテーク 1Fオープンスクエア[宮城県]

東京や海外にとって3.11は、やはりフクシマの原発事故のイメージが強いが、近くの被災地であり、津波被害が大きかった仙台では、これまで逆にあまり表出されなかった。この企画はふくしま震災遺産保全プロジェクトと連携し、全面的に福島の状況とその後を紹介している。写真、映像、壊れた被災物、デジタルのデータ、言葉、アート作品など、さまざまな手法であの出来事を伝承しようと試みる様子からは、すでに忘却されかねない危機意識も感じられた。これらの展示は、いずれつくられる3.11記念館の常設になるのだろう。

2016/12/22(木)(五十嵐太郎)

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