artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

マイケル・シェンカーズ・テンプル・オブ・ロック

会期:2015/06/17~2015/06/19

中野サンプラザ[東京都]

マイケルはえらいニコニコしながら、観客とのコミュニケーションを楽しみながら演奏し、UFOやスコーピオンズ時代の曲が多かった。なんといっても、見せ場は、MSGとして元メンバーのグラハム・ボネットとの競演を二曲したこと。昔はマイケルの早弾きや泣きのチョーキングを聴いていたが、左手の握力が強そうなフレーズ、正確な音程とリズムが印象に残る。

2015/06/18(木)(五十嵐太郎)

富山大学芸術文化学部 貴志雅樹・横山天心研究室《新高岡駅高架下利便施設》

[富山県]

竣工:2015年

開通してから初の北陸新幹線に乗る。富山駅は整備され、雨に濡れず、すぐライトレールに乗り継げる明快な交通システムを強調していたが、なるほど、これは便利である。多くの観光客で賑わう、高岡の瑞龍寺を見学する。印象的な回廊を巧みに配しながら、多くの要素=棟が統合された、見事な伽藍配置だった。外観は禅宗様、和様を使い、中央の仏殿の内部はダイナミックな構造である。新高岡駅の高架下の空間は、横山天心が設計し、土木スケールを建築スケールに調整するデザインだった。

写真:上=《瑞龍寺》、下=新高岡駅の高架下

2015/06/17(水)(五十嵐太郎)

トーマス・デマンド「Model Studies(Koto-ku)」

会期:2015/05/22~2015/06/27

タカ・イシイギャラリー東京[東京都]

北参道へ。ここに拠点を移したタカ・イシイギャラリーのトーマス・デマンド展を見る。SANAAの模型を題材とするが、さすがに今回は模型の模型ではなく、事務所の模型を撮影したものだった。ちなみに、向かいはGAギャラリーである。タカ・イシイと同じビルの反対側では、小山登美夫ギャラリーがジェイムズ・キャッスル展を開催し、独特の小品群を展示していた。ここに近づく、アプローチ空間のデザインが興味深い。

2015/06/13(土)(五十嵐太郎)

オープン・スペース2015 関連イベント:アーティスト・トーク AKI INOMATA

NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)[東京都]

ICCのオープンスオペース2015において、展覧会を開催しているAKI INOMATAさんとのトークを行なう。3Dプリンタでヤドカリの建築的なヤドをつくるなど、生物と関わるアートだが、筆者の著作『「結婚式教会」の誕生』などからも着想を得たように、じつは社会的な関係性やコミュニケーションが重要なテーマだった。例えば、ヤドカリがかついでいたのは、表参道のウエディング・チャペル、セントグレース大聖堂である。他の作品としては、亀の甲羅に小さな街並みをのせるもの、衣服の切れ端を蓑虫の巣にするもの、九官鳥と一緒にフランス語を習う、自分の髪と犬の毛を交換するなど、人間/生物の身体を相互に問う。実験や研究に展開可能なテーマも少なくない。

2015/06/13(土)(五十嵐太郎)

The Iron Maidens Japan Tour──Metal Respect Party 2015

会期:2015/06/12

渋谷 duo MUSIC EXCHANGE[東京都]

The Iron Maidensは、アイアン・メイデンの公式の女性トリビュート・バンドだが、ほとんどが最初の5枚、神アルバムからの演奏だった。彼女らのCDも聴いたが、ライブのほうがいい。ともあれ、昔学生のときにバンドで最もコピーしたあたりであり、アイアン・メイデンだけで2時間近いレパートリーがあったから、どの曲も懐かしい。彼女らのオープニング・アクトが、Mary's BloodとHATTALLICAだった。後者は名前から想像されるように、メタリカのコピーだが、前者のガールズ・メタルバンドは、まさかのツインテール(+赤リボン)×ツインギターで登場した。なにごとかと思いきや、最後にBABYMETALの「イジメ、ダメ、ゼッタイ」をカバーし、納得する。

2015/06/12(金)(五十嵐太郎)